ハウスマークとは?ブランド戦略に欠かせない理由と個別ブランドとの違い

まとめ

・ハウスマークとは、企業の営業標識として用いられるもので、企業を代表するような商標・マークです

・提供する商品・サービスに共通して使用され、また、様々な場面で使用されるので、ハウスマークは、最重要の商標・マークの1つです

・日本での商標登録の有無、商標登録する区分の数、外国への商標出願の戦略などで、ハウスマークと個別ブランドで違いが出ます

記事の信頼性
記事の信頼性

すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています

・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています

これまで、多くのお客様のブランド戦略をお手伝いしました

・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です

ハウスマークとは

あなたは、ハウスマークとは何か、分かりますか?

ハウスマークは、コーポレートマークとも言われていて、企業の営業標識として用いられるマークです。

消費者がハウスマークを見れば、どの企業が提供する商品・サービスか、判断することができます。

例えば、以下のような商標が、ハウスマークです。

        (商登第5419081号
   (商登第2681252号
  (商登第2048648号
   (商登第6478440号

上記の登録商標を見て、どの企業のマークか、すぐに分かります。

このように企業を代表するような商標・マークが、ハウスマークです。

虎さん
虎さん

ハウスマークとは、コーポレートマークとも言われ、その企業を代表するような商標・マークです

ハウスマークの重要性

ハウスマークは、その企業を代表するようなもので、様々な場面で使用します。

例えば、その企業が提供する商品・サービスに、共通して使用されます。

また、自社のウェブサイトやカタログなどにもハウスマークを記載します。

ソフトバンク社のホームページを例にすると、以下の通り、大々的にハウスマークが使用されています。

(ソフトバンク株式会社のホームページより)

テレビCMなどの広告でも、以下のように、ハウスマークが大々的に使用されます。

(ソフトバンク株式会社のCMより)

さらには、取引先の一覧を示す際に、ハウスマークが掲載されることもあります。

(株式会社ペンシルのホームページより)

このように様々な場面で使用されるハウスマークは、その企業にとって、最重要の商標・マークの1つです。

虎さん
虎さん

ハウスマークは様々な場面で使用され、企業を代表する商標・マークなので、その企業にとって、最重要な商標の1つです

個別ブランドとの保護戦略の違い

企業には、特定の商品やサービスに使用する商品名・サービス名などの個別ブランドも存在します。

商標保護の予算にも限りがありますので、ハスマークと個別ブランドでは、当然、商標による保護戦略にも違いが出てきます。

商標専門の弁理士としての経験を踏まえて、主な相違点は以下の通りです。

日本の商標登録の有無

ハウスマークは、企業にとっての最重要の商標・マークです。

仮に、第三者にハウスマークの商標登録を取得されてしまうと、事業に支障が生じる危険性があります。

そのため、多くの企業が、ハウスマークについては、きちんと商標登録しています

一方、商品名・サービス名などの個別ブランドは、ハウスマークに比べて、数も多いです。

弁理士としては、個別ブランドも商標登録することをお勧めしますが、コストも掛かります。

実情としては、漏れなく個別ブランドを商標登録している企業を少なく、多くの企業が、主要な個別ブランドのみ、商標登録している印象です。

商標登録する区分の数

ハウスマークは、その企業の取り扱う商品・サービスに使用します。

よって、ハウスマークの商標登録は、広範囲に指定商品・役務をカバーして、商標登録する区分の数も多いです

区分数によって、特許庁に支払う印紙代が増減しますので、ハウスマークの商標登録のコストも高くなります。

それに比べて、個別ブランドの場合、商標を使用する商品・サービスが限定されています。

個別ブランドの商標登録の指定商品・役務は、ハウスマークの場合よりも、狭くなるのが一般的です。

商標登録する区分の数も、ハスマークよりも、少なく、その分、費用も抑えられます。

外国への商標出願の戦略

ハウスマークについては、外国への商標出願にも積極的です。

事業進出していない国においても、先を見越して、商標出願することがあります。

コストを掛けてでも、多くの国に商標出願することが多いです。

一方、個別ブランドについては、外国でも商標登録を取得している企業は多くありません。

事業展開の予定がある国に商標出願することはありますが、事業予定のない国で、防衛的に個別ブランドの商標出願することは、ほとんどありません。

外国への商標出願には、多額のコスト・労力が掛かりますので、個別ブランドまで、手が回らないのが実情になります。

登録料を分割納付するか

登録料を納付する際に、分割納付を選択することができます。

商品・サービスのライフサイクルが短い可能性がある個別ブランドの場合、分割納付を選択することがあります。

コストを抑えることができるので、分割納付の利用は有効です。

一方で、ハウスマークの場合、変更せずに、長く使用することが想定されます。

また、10年分のトータルのコストで考えると、分割納付の方が、少し割高になります。

経験上、ハウスマークの場合には、分割納付を選択することは、滅多にありません。

虎さん
虎さん

商標弁理士の経験上、個別ブランドよりも、多額の費用を使い、商標登録で、ハウスマークを広く保護する傾向があります

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です