任天堂の商標戦略は、徹底しています。
任天堂の人気キャラクター「マリオ」も、商標登録で厚く保護しています。
商標専門の弁理士である筆者が、徹底的に、マリオ関連の商標登録を調べました。
マリオが好きな人であれば、楽しめる記事内容になっています。
また、マリオを保護するための任天堂の徹底的な商標戦略が学べます。
さらに、マリオのようなキャラクターコンテンツについて、どのように商標登録を取得すべきか、分かります。
任天堂のゲームキャラクターの「マリオ」とは
あなたは、ゲームのキャラクターの「マリオ」を知っていますか?
マリオは、任天堂株式会社が開発・発売している「スーパーマリオシリーズ」に登場する人気のゲームキャラクターです。
マリオが主役として登場する「スーパーマリオシリーズ」は、世界中で大人気です。
2011年版のギネス世界記録には「ゲーム史上、世界で最も知られているゲームキャラクター」として、マリオが掲載されています。
それでは、ゲームのキャラクターの「マリオ」は、日本で、どのように商標登録で保護されているでしょうか?
任天堂の「マリオ」関連の商標登録を紹介!
調べてみると、任天堂は、以下の3つの態様の商標で、「マリオ」を商標登録で保護しています。
- 文字商標
- 図形商標
- 立体商標
まず、キャラクター名称である「マリオ」は、日本中で、広く知れ渡っています。
また、人形・おもちゃ・文房具など、様々な「マリオ」関連のグッズが発売されています。
例えば、以下の通り、「マリオ」のスマホカバー・マスキングテープ・ランチョンマットが、オンラインストアで、売られています。
任天堂社の商標登録をチェックすると、「マリオ」「MARIO」の文字商標の商標登録を取得していました。
それも、かなり広範囲に、商品・役務(サービス)をカバーしていました。
例えば、飲食料品や保険業まで、商標登録しています。
なんで、飲食料品や保険業まで、商標登録しているんですか?
任天堂は、自社で使用するだけではなく、他社にライセンスしたり、コラボします。そのため、費用を掛けて、広範囲に商品・役務(サービス)をカバーしています!
なお、「スーパーマリオシリーズ」には、マリオ以外のキャラクターも、多数、登場します。
例えば、以下のように、任天堂社は、マリオ以外のキャラクターの名称の商標登録も取得しています。
ゲームでは、マリオを操作することで、ステージのクリアを目指します。
よって、マリオが登場するテレビゲームで遊ぶと、マリオの形状・姿が記憶に残ります。
また、マリオ関連のグッズでは、「マリオ」の名前以上に、「マリオ」の画像・図形が前面に出てきます。
よって、任天堂社は、マリオに関する図形商標も、商標登録を取得しています。
「マリオ」は、キャラクターの名称だけではなく、キャラクターの形状・姿も広く知れ渡っています。
このような商標登録は、キャラクター保護するための有効です。
1997年に、立体商標制度が導入されて、立体的な形状も商標法の保護対象になりました。
任天堂社は、以下の通り、マリオの立体的な形状についても、商標登録を取得しています。
また、任天堂社は、マリオが被っている帽子についても、立体商標で商標登録を取得しています。
マリオの帽子を立体商標で商標登録した理由
一時期、来日した観光客をターゲットに、マリオカートを模して、公道をマイクロカーで走るサービスが、東京で横行しました。
このようなサービスで、マリオのコスチュームとして帽子を貸し出していました。
その対応策として、任天堂は、マリオの帽子の立体商標の商標登録を取得しました。
このことは、マリオ帽子の商標登録の指定商品・役務からも明らかです。
- 25類 仮装用衣服 など
- 39類 自動車・二輪自動車の貸与 など
- 41類 仮装用衣服の貸与 など
- 43類 イベント会場の貸与 など
- 45類 衣服及び被服の貸与 など
なお、任天堂は、訴訟を提起していて、勝訴しています。
判決文の全文は、こちらです。
現在も、公道をマイクロカーで走るサービスは存在しますが、マリオカートを真似せず、また、マリオのコスチュームを貸していません。
任天堂の徹底した対応により、「マリオ」及び「マリオカート」のブランド保護に成功した事例です!
任天堂の「マリオ」から考えるキャラクターの商標保護
ゲームキャラクターの「マリオ」は、日本中で広く知れ渡っている人気キャラです。
「マリオ」の名前は、ほとんどの人が知っているので、当然、「マリオ」の名前を商標登録しています。
さらに、「マリオ」の外観(見た目)も広く知られています。
よって、キャラクターの名称だけではなく、図形商標・立体商標での商標登録も有効です。
なお、以下の記事で紹介している通り、文字や図形だけではなく、動きや音なども、商標登録で保護できます。
新しいタイプの商標とは?5つの種類と登録例を紹介例えば、特徴的な鳴き声のキャラクターだったら、音商標の商標登録を取得することが考えられます。
キャラクターの特徴・使用方法を考慮して、商標制度をフル活用して、キャラクターを保護しましょう。
「マリオ」の商標登録は、様々な商品・サービスをカバーしていて、商標登録による広範囲の保護を図っています。
商品やサービスの普及のために、キャラクターやマスコットを使用することが多々あります。
また、他社にライセンスしたり、他社とコラボすることもあります。
実際、キャラクターやマスコットの商標登録は、広く商品・サービスをカバーすることが多いです。
ただし、商品・サービスを広くカバーしようとすると、その分、コストも高額になります。
商標登録に掛かる費用は、区分(商品・サービスのカテゴリー)の数で、決まります!
キャラクターの重要度や予算に応じて、どこまで、商品・サービスをカバーするか、検討しましょう。
なお、キャラクターの商標登録のやり方については、以下の記事で、説明しています。
【まとめ】キャラクターを商標登録するには?商標登録のポイントを解説!マリオのようなキャラクターの商標登録で分からなければ、商標専門の弁理士に相談!
キャラクターの商標を商標登録する際に、分からないことが出てくるでしょう。
その場合には、商標専門の弁理士に相談しましょう。
筆者(すみや商標知財事務所)にご相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。
キャラクターの商標登録の実績あり
・「マリオ」は、日本中で広く知れ渡っている人気ゲームキャラです
・文字商標だけではなく、図形商標・立体商標でも商標登録を取得しています。これにより、様々な商品・サービスにおいて、任天堂は、広く商標による「マリオ」の保護を図っています
・キャラクターの重要度や予算などに応じて、商標登録によって、どのようにキャラクターを保護するか、検討しましょう