商標登録は、自分でやることもできますし、弁理士に代理してもらうこともできます。
特許庁の統計データによると、2022年の商標出願のうち、約26%が、本人出願です。
12年以上の弁理士歴がある商標専門の弁理士の筆者は、業界の実情を熟知しています。
この記事を読めば、「自分で商標登録」、「弁理士に商標登録を依頼」、それぞれの方法のメリット・デメリットが分かります。
また、弁理士に商標登録を依頼した方がいいのか、判断の参考になります。
自分で商標登録することも可能!
自分で商標登録するには、商標登録の願書(申請書)を作成して、特許庁に提出する必要があります。
願書の作成方法・提出方法は、以下の記事で、詳しく紹介しています。
【商標登録のやり方】商標登録の願書の記載方法と提出方法を紹介!弁理士に商標登録を依頼した場合の4つのステップ
弁理士に商標登録を依頼すれば、弁理士が特許庁への出願手続きを代行してくれます。
弁理士に依頼した場合の商標出願までの流れは、以下の通りです。
どのような商品・サービスに、どのような商標を出願するか、検討し、どれぐらいの費用が掛かるか、説明します
相談した内容をもとに、弁理士が願書案を用意して、提示します
願書案で、自分(自社)の事業がカバーできるか、確認します
通常、オンライン出願なので、当日もしくは翌日には、願書の提出が完了します
「自分で商標登録」と「弁理士に商標登録を依頼」を比較
「自分で商標登録」と「弁理士に商標登録を依頼」、各々、メリット・デメリットがあります。
比較すると、以下のリストの通りです。
自分で商標登録 | VS | 弁理士に商標登録を依頼 |
安い | 費用 | 高い |
面倒 | 書類作成の手間 | 簡単・時間が掛からない |
初心者だと、数時間 | 書類作成に掛かる時間 | 短時間(数分)でOK |
適切に保護できていないかも | 適切な商標の保護 | プロなので、適切に保護できる |
的確に応答できないかも | 特許庁への応答 | 期限内に、的確に応答 |
自分で商標登録する場合
特許庁に支払う印紙代だけでOKです。
自分で商標登録すれば、最低限の費用に抑えられます。
弁理士に商標登録を依頼する場合
弁理士に商標登録を依頼すると、商標登録までに、数万円~十数万円の手数料が掛かります。
なお、依頼する弁理士(特許事務所)によって、手数料は大きく異なります。
弁理士の手数料については、以下の記事で、詳しく紹介しています。
【必見】商標登録の費用の比較と特許事務所の選び方!【参考例(筆者の事務所の場合)】
参考までに、筆者の事務所(すみや商標知財事務所)の場合、手数料は、以下の通りです。
出願時の手数料(税抜) | 登録時の手数料(税抜) | |
1区分目 | 5万円 | 3万円 |
追加1区分あたり | 3万円 | なし |
自分で商標登録する場合
調べながら、勉強すれば、自力で商標出願の願書(申請書)を作成できるでしょう。
しかし、初心者だと、結構、大変です。
願書を作成するのに、数時間、掛かるでしょう。
弁理士に商標登録を依頼する場合
弁理士が、商標出願の願書を作成します。
よって、願書を作成する手間を省けます。
また、願書が問題ないか、チェックするだけなので、数分で済むでしょう。
自分で商標登録する場合
商標登録の権利範囲は、登録商標と指定商品・役務(サービス)で決まります。
商標登録をチェックすると、指定商品・役務(サービス)が適切なのか、疑義がある商標登録も散見されます。
初心者による商標登録だと、適切に商標を保護できていない危険性があります。
弁理士に商標登録を依頼する場合
弁理士はプロなので、基本的には、適切に商標を保護できるはずです。
特に、商標出願の経験が豊富で、商標の深い知識がある弁理士であれば、より確実に、商標を適切に保護できます。
特許庁から登録査定が届いたら、30日以内に、登録料を特許庁に支払う必要があります。
また、商標登録を認めないと審査官が判断すると、拒絶理由通知書が届きます。
期限内に、適切に対応しないと、商標出願が拒絶され、商標登録できないので、注意です。
自分で商標登録する場合
自分で商標登録する場合には、全て自己責任です。
期限内に、適切に対応できずに、商標登録できない危険性があります。
弁理士に商標登録を依頼する場合
弁理士が、きっちり期限を管理してくれます。
また、弁理士は、特許庁の手続きを熟知しているので、適切に対応できます。
【筆者の見解】商標登録は、原則、弁理士への依頼がオススメ!
筆者は弁理士なので、弁理士のサービスが有益だと信じています。
商標登録は、重要な財産・権利です。
コストは掛かりますが、基本的には、弁理士への依頼をお勧めします。
弁理士でも、各々、専門の得意としている分野があります。
実際、特許専門の弁理士が、片手間で、商標業務を扱っていることもあります。
以下の記事で詳しく紹介していますが、できれば、商標専門の弁理士に依頼しましょう。
商標登録を誰に頼む?商標専門の弁理士に依頼しましょう!なお、筆者(すみや商標知財事務所)は、12年の弁理士歴がある商標専門の弁理士です。
商標業務でお手伝いできることがあれば、ご相談ください。
弁理士歴12年の商標専門の弁理士
年に何十件も商標登録する場合などは、自分での商標登録も考えられる!
例えば、以下のような場合であれば、自社(自分)での商標登録も考えられます。
- 年に何十件も商標登録して、商標出願に慣れていて、きちんと自社で期限を管理できる
- 予算に限りがあり、商標登録に掛かる費用を最低限に抑えたい
ただ、慣れていても、ミスしてしまう危険性があります。
社名などの重要な商標の場合、コストが掛かっても、できれば、弁理士に協力してもらった方がいいでしょう。
お手伝いできることがあれば、商標専門の弁理士の筆者(すみや商標知財事務所)まで、ご連絡ください。
弁理士歴12年の商標専門の弁理士
・弁理士に商標出願を依頼すれば、手間や時間を省けます。また、適切に商標を保護でき、的確かつ期限内に特許庁に応答できます
・自分で商標登録することの最大のメリットは、費用を最低限に抑えることです。ただし、初心者だと、商標出願の願書(申請書)の作成が大変で、時間が掛かります
・基本的には、弁理士(できれば商標専門の弁理士)への依頼をお勧めします。ただし、年に何十件も商標登録していて、手続きに慣れている場合などは、自社での商標登録も考えられます