商標調査してみると、同一もしくは類似の登録商標が、見つかることが多々あります。
その場合に、他人の登録商標と区別されるために、どのように商標を変更すべきか、お客様から相談されます。
この記事を読めば、他人の登録商標と類似しないようにする変更方法が分かります。
さらに、その中でも、どのような変更方法が有効なのか、教えます。

・すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています
・商標専門の弁理士として、12年以上、働いていて、膨大な量の商標案件を担当しました
・どのように商標を変更すべきか、頻繁に、お客様にアドバイスしています
・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です
【先行商標と区別するための手段】効果を比較!

商標調査したら、障害となる先行商標が見つかりました!
先行商標と区別するためには、どのように商標を変更すべきですか?

商標の変更方法については、頻繁に相談を受けます。
お客様から提案を受けるのは、以下の7つの方法です!
- アルファベットや平仮名など、別の表記に変更
- ロゴ化する
- 図形を組み合わせる
- 記号を組み合わせる
- 数字を組み合わせる
- アルファベット1文字・2文字を組み合わせる
- 他の単語・言葉を組み合わせる
ほとんど有効ではない方法も含まれているので、各々の方法の有効性を紹介していきます。
よく提案を受けるのは、アルファベットや平仮名などに表記を変更する方法です。

しかし、例えば、カタカナをアルファベットに変更しても、生じる称呼(読み)に変更ありません。
商標の類否判断において、称呼(読み)が最も重視されます。
そのため、カタカナをアルファベットに変更しただけでは、原則、先行商標と区別できないです。

表記を変更すれば、先行商標と区別できると勘違いしているお客様も多いので、要注意です!
次に、文字をロゴ化する方法です。

実際、商標をロゴ化することで、先行商標を区別できないか、相談されることも多いです。

ロゴ化することで、外観上は、先行商標と区別しやすくなりますよね

はい、そうです。しかし、ロゴ化しても、商標から生じる称呼(読み)には、変更ありません!
商標の類否判断において、称呼(読み)が最も重視されるので、残念ながら、先行商標と区別できない可能性が高いです。
文字に図形を組み合わせる方法も、提案を受けることがあります。


図形と文字、まとめて1つの商標と判断されないのですか?

残念ながら、図形部分と文字部分、それぞれ分離・抽出して、原則、認識されます!
図形を組み合わせても、依然として、先行商標が障害となる危険性が高いです。
記号を組み合わせることで、登録商標と区別できないか、相談を受けることもあります。

記号部分は、商標としての特徴(専門的に言うと「識別力」)が弱いと判断されます。
そのため、記号部分を除いた部分が、主要部と認識されるので、やはり先行商標が問題となる可能性が高いです。
数字を組み合わせて、先行商標との区別を図ることもあります。

しかし、数字も、商標としての特徴(専門的に言うと「識別力」)が弱いと判断されます。
そのため、数字を除いた部分が、主要部と認識されるので、やはり先行商標が問題となる可能性が高いです。
アルファベット1文字もしくは2文字を組み合わせる方法も、お客様から頻繁に提案を受けます。

この方法により、先行商標と区別できる可能性はあり、ある程度、有効な方法です。

アルファベット1文字もしくは2文字を組み合わせれば、確実に先行商標と区別できますか?

確実に区別できるとは言い切れません!依然として、先行商標が障害となる危険性があるので、注意です
他の単語・言葉を組み合わせる方法もあります。

先行商標と区別するには、この方法が最も有効です。

ただし、組み合わせる単語・言葉によっては、依然として先行商標と類似する危険性があります
判断に迷う場合には、商標専門の弁理士に相談しましょう!
【まとめ】「他の単語・言葉を組み合わせる」のが、最も有効!
紹介した方法の有効性をリストにすると、以下の通りです。
商標の変更方法 | 別の表記に変更 | ロゴ化する | 図形を組み合わせる | 記号を組み合わせる | 数字を組み合わせる | アルファベット1文字・2文字を組み合わせる | 他の単語・言葉を組み合わせる |
先行商標と区別するための有効性 |
最も有効なのは、他の単語・言葉を組み合わせる方法です。
商標登録で困ったことがあれば、商標専門の弁理士に相談!
判断に迷ったら、一人で悩まずに、商標専門の弁理士に相談しましょう。

筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士
・同一もしくは類似の登録商標が見つかった場合、商標を変更することが多々あります
・その場合、表記の変更(例えば、カタカナ→アルファベット)やロゴ化では、先行商標とは区別できない可能性が高いので、注意です
・他の単語・言葉を組み合わせれば、先行商標と区別できる可能性が高いので、そのような変更方法を検討しましょう