・願書を提出したら、その後、アメリカ特許商標庁(USPTO)で実体審査が行われます
・登録が認められないと判断された場合には、拒絶理由が通知されます。一方、拒絶理由がない、もしくは、拒絶理由を克服したと審査官が判断すれば、公告手続きに進みます
・期間内に異議申し立てがなければ、登録許可・設定登録と進んでいきます。なお、使用意思を基礎に商標出願した場合、使用宣誓書の提出が要求されます
アメリカで商標出願するには
アメリカで商標出願するには、アメリカ特許商標庁(USPTO)に願書を提出します。
なお、マドプロ出願でアメリカに商標出願する方法もありますが、今回は、アメリカでの直接出願の流れを紹介します。
提出する願書は、英語で記載する必要があります。
つまり、指定商品・役務、出願人の名称・住所など、英語の翻訳が必要です。
アメリカでの商標出願は、アメリカ特許商標庁(USPTO)に願書を提出することからスタートします。
願書には、出願商標の他に、英語の指定商品・役務、出願人の英語の名称・住所などを記載する必要があります
アメリカ特許商標庁(USPTO)での実体審査
商標出願が受理されたら、アメリカ特許商標庁(USPTO)で実体審査が行われ、商標登録を認めるか否か、審査官が判断します。
具体的には、類似する先行商標が存在しないか、審査します。
また、出願商標が識別力(商標としての特徴性)を有するか、チェックします。
さらに、指定商品・役務の表現も審査して、日本に比べて、詳細に記載されていないと認められません。
登録を認められると審査官が判断した場合
拒絶理由がない、もしくは、拒絶理由が解消したと審査官が判断すれば、審査を通過します。
登録を認められると判断された商標出願は、次のステップの公告手続きに進みます。
登録を認められないと審査官が判断した場合
商標登録を認めないと審査官が判断した場合、拒絶理由が通知されます。
拒絶理由通知に対して、応答する機会が与えられます。
具体的な応答方法は、指定商品・役務の補正や商標非類似の反論などです。
これに対して、依然として、拒絶理由が解消していないと判断した場合、「最後の拒絶理由通知」が届きます。
「最後の拒絶理由通知」に対しても、応答する機会が与えられます。
何らかの応答によって、拒絶理由を解消したと認められれば、審査を通過します。
一方、期間内に拒絶理由を解消できず、かつ、不服審判を請求していないと、出願が放棄されます。
非常に細かく審査するので、経験上、拒絶理由を通知されることが大半です。ただ、多くのケースで、適切に応答することで拒絶理由を克服できました
公告
審査を通過した商標出願は、公報に掲載されて、公告になります。
商標登録に不服がある利害関係人は、異議を申し立てることができます。
異議申し立て期間は、公告になってから、30日間です。
なお、請求により、30日の公告期間は、延長することもあります。
期間内に異議申し立てがなければ、次のステップに進みます。
一方、異議申し立てがあれば、出願商標の登録性について、争うことになります。
登録許可
期間内に異議申し立てがなければ、登録許可通知が届きます。
なお、アメリカの商標出願の種類は、いくつかあり、アメリカでの出願商標を使用する意思に基づき、商標出願することができます。
その場合には、登録許可通知の後に、使用証拠付きの使用宣誓書を提出する必要があります。
使用宣誓書を提出しなければ、出願商標を登録できませんので、注意しましょう。
実際、担当したアメリカの出願案件で、使用宣誓書が提出できずに、再出願したことがあります。
アメリカでの使用意思を基礎に商標出願した場合、アメリカでの使用証拠付きの使用宣誓書を提出する必要があります
設定登録
アメリカ特許商標庁(USPTO)で、設定登録が行われ、登録証が送付されます。
なお、アメリカは、使用主義を採用していて、商標を使用していることが重視されます。
登録から5~6年目の間に、使用証拠付きの使用宣誓書の提出が要求されます。
日本とは制度が異なりますので、きちんと期限を管理しましょう。
また、アメリカでの商標の保護期間は、登録日から10年間です。
存続期間が満了する前に、更新手続きを行うことで、10年間、存続期間を延長できます。
出願から登録までのフローチャート
アメリカでの商標出願から登録までの流れをざっくりと紹介してきました。
フローチャートにして、簡単にまとめると、以下の通りです。