企業も個人も、オリジナルのキャラクターを作成して、自分のビジネスに利用しています。
商標登録で、キャラクターを保護したいというニーズは高く、以下の通り、人気キャラクターは、商標登録しています。
一方で、弁理士に商標登録を頼むと、10万円以上、掛かることがほとんどです。
それでは、コストを掛けてまで、キャラクターの名称や図形をどうして商標登録するのでしょうか?
この記事を読めば、キャラクターの名称・図形を商標登録するメリットが分かります。
また、キャラクターの名称・図形を商標登録しない場合のリスクも教えます。
キャラクターの名称・図形を商標登録する5つのメリット
コストや手間を掛けてでも、自分のキャラクターを商標登録する価値があります。
キャラクターの名称・図形を商標登録する代表的なメリットは、以下の5つです。
- 指定した商品・サービスの範囲内で、独占的に登録商標を使用できる
- キャラクターの模倣品が販売されたら、商標権侵害を主張できる
- 他社へのライセンスに商標登録を利用できる
- 著作権での保護を補完できる(特に、キャラクター名の商標登録)
- 登録商標であることが、社会的信用に繋がる
各々のメリットについて、説明していきます。
商標権は、強力な権利です。
特許庁の審査を通過して商標登録を取得できれば、独占的に登録商標を使用できます。
ただし、独占的に使用できるのは、指定した商品・サービスの範囲内に限られます。
キャラクターが人気になると、模倣品が出回ることが多いです。
商標登録は、自分のキャラクターの模倣品の対策に利用できます。
もし、模倣品を見つければ、自己の商標権に基づき、商標権侵害を主張できます。
人気キャラクターは、他社の商品・サービスとコラボすることが多々あります。
例えば、人気キャラクターの「ピカチュウ」は、多くの企業とコラボしていて、ソフトバンクのCMにも、出演しています。
その場合、他社とライセンス契約を結びますが、商標登録を利用できます。
つまり、商標登録があれば、ライセンス(利用許諾)の基礎となる権利にできます。
ライセンスする商品・サービスを含んだ商標登録が必要なので、注意です!
キャラクターの保護は、著作権が基本です。
しかし、キャラクターの名称は、著作権法の保護の対象外です。
そのため、キャラクター名を商標登録すれば、著作権での保護を補完できます。
経験上、キャラクター名も商標登録することが多いです!
また、著作権侵害の要件(条件)の1つが、他人の著作物に依拠していることです。
つまり、たまたま、キャラクターが似通ってしまった場合、著作権侵害が該当しない危険性があります。
一方、商標権には、そのような要件(条件)がありませんので、キャラクター図形の商標登録を取得すれば、著作権を補完できます。
悪気なく、たまたま登録商標に類似する名称やデザインを使用した場合でも、商標権侵害に該当します!
商標登録には、社会的信用を得られるというメリットもあります。
商標登録されたキャラクターの名称・図形は、特許庁が審査して認められたものです。
その点でも、社会的な信用を得られる場合があります。
なお、商標登録になれば、特許庁から、以下のような登録証が届きます。
キャラクターの名称・図形を商標登録しない4つのリスク
一方、自分のキャラクターを商標登録しないこともあります。
コストや手間を省けますが、商標登録しないと、例えば、以下の4つのリスクがあります。
- 自分のキャラクターの商標登録を他人に取得される
- 自分のキャラクターを模倣されても、泣き寝入りするかも
- 商標権侵害で訴えられる(人気になったキャラクターの落とし穴)
- 自分のキャラクターを使用するのにお金が掛かる
各々のリスクについて、説明していきます。
もし、あなたが、商標出願しないで、商標を使用していると、他人に商標出願されて、商標登録を取得される危険性があります。
日本の商標の世界は、先願主義、つまり、「早い者勝ち」で、詳しくは、以下の記事で紹介しています。
最重要ルール「先願主義」(早い者勝ち)と注意点を紹介!他人に商標登録されてしまうと、大変で、自分のキャラクターの使用が、第三者の商標権の侵害に該当します。
先に商標を使用していても、商標権を侵害するため、商標を使用できなくなる危険性があります!
なお、商標法には、異議申し立てや無効審判という制度があり、このような制度を利用すれば、第三者の商標登録を取り消せるかもしれません。
異議申し立てや無効審判については、以下の記事で、詳しく説明しています。
【商標登録の異議申し立て】制度の概要や流れを紹介! 商標登録の無効審判とは?制度の概要や勝算を紹介!しかし、確実に、他者の商標登録が取り消せるか、分からず、また、高額な費用や時間も掛かってしまいます。
このような事態を未然に防ぐことで重要で、早めに商標出願して、自分のキャラクターの名称・図形の商標登録をきちんと取得しましょう。
自分のキャラクターが有名になると、他人に真似される危険性があります。
しかし、商標登録を取得していないと、商標権侵害を主張できません。
著作権法や不正競争防止法を根拠に争う場合には、様々な条件(要件)を満たす必要があります。
よって、商標登録がないと、自分のキャラクターの模倣行為を止められず、泣き寝入りするかもしれません。
商標登録しないで、自分のキャラクターを使用していると、ある日、商標権者から訴えられるかもしれません。
特に、SNSの普及により、商標権の侵害が見つかる可能性が高まっています。
商標権侵害を主張されると、以下のような損害を受ける危険性があります。
- キャラクターの使用の中止に追い込まれる
- 権利者に損害賠償金を支払う
- キャラクターを変更すると、包装紙やチラシの修正などで、多大なコストが掛かる
- 他社のキャラクターを真似したという悪評が、インターネット上で、広まる
このようなリスクを排除するために、きちんと商標登録を取得することが大切です。
例えば、自分のキャラクターの名称が、他人に商標登録されている場合、買い取ったり、ライセンスしてもらうことが考えられます。
商標権を買い取る場合、対価として、数百万円に支払いが要求される可能性があります。
また、ライセンスを受ける場合も、毎年、使用料の支払いが要求されます。
商標登録していないと、自分のキャラクターを使用するのに、お金が掛かる危険性があります。
キャラクターの名称・図形を商標登録したければ、商標専門の弁理士に相談!
キャラクターを作成したら、他人に模倣されないよう、また、他人から訴えられないよう、適切に保護するのが、重要です。
キャラクターの保護は、著作権が基本ですが、キャラクターの名称・図形の商標登録も、様々なメリットがあります。
自力で商標登録することもできますが、的確に保護するために、商標専門の弁理士に商標登録を相談することをお勧めします。
筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討・対応します!
弁理士歴12年以上の商標専門の弁理士
・キャラクターの名称・図形を商標登録することで、登録商標を独占的に使用でき、かつ、他人の模倣行為を排除できます
・キャラクター保護は、著作権が基本ですが、著作権の弱点を、商標登録により補完できます
・一方、キャラクターの名称・図形を商標登録しないと、他人に勝手に商標登録されたり、また、自分のキャラクターの模倣行為を中止できない危険性があります