・中国の商標局に願書を提出したら、指定商品・役務の表示が的確かどうか等、願書の方式を審査します
・方式審査を通過したら、実体審査が行われます。商標登録を認めると判断した場合は、登録査定(初歩査定)、認められないと判断した場合は、拒絶査定が送付されます
・登録査定(初歩査定)になったら、公告になり、第三者から異議申し立てがなければ、設定登録されて、登録証が発行されます
中国で商標出願するには
中国で商標出願するには、中国の商標局に願書を提出します。
なお、マドプロ出願で中国に商標出願する方法もありますが、今回は、中国での直接出願の流れを紹介します。
商標局に提出する願書は、中国語で記載する必要があります。
つまり、指定商品・役務、中国語の出願人の名称・住所など、中国語の翻訳が必要です。
中国での商標出願は、中国の商標局に願書を提出することからスタートします。
会社の中国語名が決まっていない場合、中国の現地代理人のアドバイスをもらいながら、検討することがあります
商標局での方式審査
商標局が、願書を受け取ったら、まずは、方式審査を行います。
なお、指定商品・役務の表示が適格かどうかも、方式審査で判断します。
願書の方式に不備がある場合とない場合で、対応が異なります。
願書の方式に不備がなかった場合
願書の方式に不備がないと判断した場合、出願費用の納付通知書が送付されます。
出願費用の納付後、商標出願が正式に受理されて、受理通知書が発行されます。
願書の方式に不備があった場合
願書の方式に不備があると判断した場合には、補正通知書が送付されます。
これに対して、指定商品・役務の補正などで、対応することができます。
方式の不備が解消したと判断した場合には、その後、出願費用の納付書が送付され、出願費用の納付後、商標出願が受理されます。
一方、依然として方式の不備が解消していないと判断した場合には、不受理処分となりますので、注意しましょう。
指定商品・役務の適格性も、方式審査で判断します。不適格な場合、指定商品・役務を補正する機会が与えられますが、補正しても不備が解消しないと判断されると、不受理処分になります
商標局での実体審査
商標出願が受理されたら、商標局で実体審査が行われ、商標登録を認めるか否か、判断します。
具体的には、類似する先行商標が存在しないか、審査します。
その他にも、出願商標が識別力(商標としての特徴性)を有するか等、様々な点をチェックします。
登録を認められると判断した場合
実体審査の結果、商標登録を認めると判断した場合には、登録査定(初歩査定)が送付されます。
登録を認められないと判断した場合
商標登録を認めないと判断した場合、拒絶査定が送付されます。
なお、一部の指定商品・役務のみ、拒絶されることもあります。
例えば、「被服」と「靴」を指定商品とする商標出願で、先行商標と抵触するのが「被服」だけの場合、「被服」のみが拒絶されます。
拒絶された商品・役務について、商標登録を取得したい場合には、拒絶査定不服審判を請求して、争うこともできます。
審判において、判断が覆り、商標登録を認める旨の審決が下されれば、その後、公告手続きを進みます。
日本の拒絶理由が通知されることなく、拒絶査定が下されます!判断に対して不服があれば、拒絶査定不服審判を請求できます
公告(公報に掲載)
登録が認められた商標出願は、公報に掲載されて、公告になります。
商標登録に不服がある場合には、異議を申し立てることができます。
異議申し立て期間は、公告になってから、3ヵ月間です。
期間内に異議申し立てがなければ、登録手続きに進みます。
一方、異議申し立てがあれば、出願商標の登録性について、争うことになります。
設定登録(登録証の発行など)
商標局で、設定登録が行われ、その旨、公告されます。
また、商標局が登録証を発行して、送付します。
これで、無事、出願した商標が、中国で保護されます。
なお、中国で模倣品を見つけて、中国の行政に協力を仰ぐ場合には、登録証が必要になります。
紛失しないよう、登録証をきちんと保管しましょう。
また、中国での保護期間は、登録日から10年間です。
存続期間が満了する前に、更新手続きを行うことで、10年間、存続期間を延長できます。
中国では、商標登録を保有していることの証拠として、登録証の提示を要求されることがあります
出願から登録までのフローチャート
中国での商標出願から登録までの流れをざっくりと紹介してきました。
フローチャートにして、簡単にまとめると、以下の通りです。