・「阪神タイガース」や「Tiger」だけではなく、「六甲颪」や「ウル虎の夏」も商標登録を取得しています
・2023年シーズンのために出願した商標が、「A.R.E.」のチームスローガンと岡田監督の口癖の「そらそうよ」です
・阪神タイガースは、12球団の中で、2番目に多くの商標登録・出願を保有しています。商標出願に熱心です
プロ野球の球団「阪神タイガース」とは
阪神タイガースが、18年ぶり、リーグ優勝しました。
さらに、38年ぶりに、日本一になりました。
関西を中心に、盛り上がっています。
阪神タイガースは、日本のプロ野球球団です。
読売ジャイアンツに次いで、2番目に歴史が長いです。
1936年から、プロ野球リーグに参加しています。
しかし、1949年にプロ野球が2リーグ制になって以降、阪神タイガースがリーグ優勝した回数は、とても少ないです。
2023年も含めて、6回だけです。
また、熱狂的なファンが多いことでも有名です。
ホームゲームの観客動員数は、12球団で、最も多いです。
阪神タイガースは、プロ野球の人気球団です!
阪神タイガースの商標登録について
データベース「J-PlatPat」で、出願商標・登録商標を調べられます。
株式会社阪神タイガースが、阪神タイガースの商標を管理・保有しています。
記事を執筆している2023年9月時点で、株式会社阪神タイガースの登録商標・出願商標は、計136件です。
例えば、以下の商標が、株式会社阪神タイガースの登録商標です。
- 月刊タイガース
- 阪神タイガースショップ
- 猛虎
- トラッキー
- 六甲颪
- ウル虎の夏
なお、トラッキーは、阪神タイガースのマスコットキャラクターです。
また、六甲颪(六甲おろし)は、阪神タイガースの球団歌の通称です。
さらに、「ウル虎の夏」は、2013年から開催されている夏のイベントです。
例えば、「ウル虎の夏」の対象の試合では、タイガースの選手は、普段とは違うユニフォームを着用します。
2023年シーズンのために登録した商標登録
2023年シーズンから、阪神タイガースの監督が代わりました。
新監督は、「岡田 彰布」監督です。
それに伴って、球団も、新規に商標出願しました。
岡田監督は、就任会見の際、優勝を「アレ」と表現しました。
それにちなんで、2023年のチームのスローガンを「A.R.E.」にしました。
阪神タイガースが日本一になったこともあり、2023年の流行語大賞に「アレ(A.R.E.)」が選ばれました。
阪神タイガースは、以下の商標登録を取得しました。
チームのスローガンは、色々な場面で使用されています。
例えば、球団の公式のホームページやX(旧Twitter)に使われています。
また、チームのスローガンが入ったグッズは、たくさん販売されています。
例えば、Tシャツ、タオル、マグカップやトートバッグです。
以下、公式のオンラインショップで販売されているトートバッグです。
ファンの間では、有名な岡田監督の口癖があります。
それが、「そらそうよ」です。
「それは、そうでしょう」や「見ての通り」といった意味合いです。
試合で負けた時のインタビューで使われることが多いです。
雑誌「週刊ベースボール」には、岡田監督の連載コラムがあります。
そのコラムのタイトルが、「岡田彰布のそらそうよ」です。
「そらそうよ」は、まさに、岡田監督の代名詞です。
監督の就任が決まった2022年11月に、「そらそうよ」の文字商標を出願しました。
その後、特許庁の審査を経て、無事、商標登録になりました。
実際、球団は、「そらそうよ」と記載されたタオルを販売しています。
人気みたいで、様々なバージョンの「そらそうよ」タオルがあります。
口癖でも、特定の人物を想起できれば、商標として機能する可能性があります
2023年シーズンで優勝したので出願した商標出願
阪神タイガースが、リーグ優勝を決めたのは、2023年9月14日です。
その翌日の9月15日に、阪神タイガースは、以下の商標を出願しました。
阪神タイガースは、リーグ優勝記念グッズに、出願商標を使用しています。
ちなみに、実際に使用している商標と出願商標を比較すると、大きな違いがあります。
出願した商標には、「CHAMPIONS」の文字が含まれていません。
アパレルの分野では、すでに「」などの先行商標が存在します。
このような先行商標を回避するために、「CHAMPIONS」の文字を外して、商標出願したものと推測します。
阪神タイガースが、日本シリーズに勝って、2023年11月5日に日本一になりました。
その後、11月14日に、阪神タイガースは、以下の商標を出願しました。
阪神タイガースは、日本一記念グッズに、出願商標を使用しています。
こちらも、出願商標は、実際に使用した商標と異なり、「CHAMPIONS」の文字が含まれていません。
リーグ優勝記念のロゴと同様で、「」などの先行商標との関係で、「CHAMPIONS」の文字を外して、商標出願したと思います。
2003年の「阪神優勝」の商標トラブル
2003年、阪神タイガースが優勝した年に、商標トラブルがありました。
当時、話題になったので、覚えている人もいるでしょう。
千葉県在住の男性が、勝手に、以下の「阪神優勝」のロゴ商標を出願しました。
特許庁の審査を通過して、2002年に商標登録されました。
「阪神」は、必ずしも、「阪神タイガース」の略とは認識されません。
「阪神」は、一般的には、「大阪と神戸」を意味します。
商標登録を認めた審査官の判断も、ある程度は、理解できます。
個人的には、このような判断には、納得できませんが。
この事実に気づいた阪神タイガースは、無効審判を請求しました。
無効審判とは、特許庁に、商標登録の取り消しを求める制度です。
結果としては、無事、「阪神優勝」の商標登録を取り消せました。
理由としては、阪神タイガースとの関係で、出所の混同を生じるおそれがあるからです。
もう少し、簡単に説明します。
一般の人が、このようなロゴが使用された商品を見たとします。
そうすると、多くの人が、阪神タイガースの公式グッズもしくは公認グッズと勘違いしてしまうからです。
万が一、他人に商標登録を取得されても、無効審判を請求することで、商標登録を取り消せる可能性があります
阪神タイガースは商標出願に熱心!?(他球団との比較)
現存する商標出願・登録の件数をざっくりと調べてみました。
なお、筆者が、目視でチェックしたので、誤差があるかもしれません。
統計データに間違いがあっても、ご容赦ください。
12球団の商標件数を比較すると、以下の通りです。
最も多く、商標出願・登録を保有していたのが、横浜DeNAベイスターズです。
ベイスターズは、熱心に商標出願しています。
例えば、「青星寮カレー」など、スタジアムで販売しているグルメの名称も、商標登録しています。
2番目に多いのが、阪神タイガースです。
阪神タイガースは、12球団のうち、2番目です。
2003年の「阪神優勝」のトラブルが教訓になっているのかもしれません。
商標トラブルを避けるためには、きちんと商標登録を取得することが重要なので。
ちなみに、3番目に件数が多かったのが、読売ジャイアンツです。
読売ジャイアンツは、最古のプロ野球球団で、阪神タイガースの長年のライバルです。
日本のプロ野球には、12球団ありますが、商標の件数は、球団によって、かなり差があります。
その中では、阪神タイガースは、商標出願に熱心な球団です。