「商標出願って、実際にはどんな人や企業がしているの?」
商標登録に関心を持ったとき、多くの方が気になるのが「出願の実態」です。
実際には、法人と個人の出願比率や、地域(都道府県)による出願件数の違い、さらには外国人・外国企業の出願割合まで、さまざまな統計データが存在します。
こうしたデータを見ることで、商標制度がどのように活用されているのか、そして自社や自分にとって商標登録がどのような位置づけにあるべきかが見えてきます。
この記事では、
- 法人と個人、どちらが多く商標を出願しているのか
- 都道府県別の出願傾向とその特徴
- 日本における外国出願の割合
- 商標登録件数が多い企業ランキング(上位20社)
などの統計データを、商標専門の弁理士がわかりやすく整理・解説します。
データから見える“商標出願の現実”に、ぜひ触れてみてください。

・すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています
・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています
・商標業界について、熟知しています
・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です
特許庁の統計データ(特許行政年次報告書)について
法人でも、個人でも、商標出願することができます。
また、外国の企業であっても、日本での商標出願が可能です。
特許庁では、毎年、統計データを公表しています。
具体的に言うと、統計データとは「特許行政年次報告書」です。
特許庁ウェブサイトにアクセスすれば、誰でも、閲覧できます。
それでは、統計データに基づいて、どのような人が商標出願しているか、紹介していきます。
商標出願しているのは、法人か?個人か?
2020年の統計データによると、法人名義の商標出願の件数は約13万7千件です。
一方、個人名義の商標出願の件数は約2万5千件です。
イメージしやすいように、グラフにすると、以下の通りになります。
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グラフの通り、まだまだ個人よりも法人の出願件数の方が多い。
しかし、2011年の個人の商標出願の件数は約1万件になりますので、ここ数年で、個人の商標出願が急増しています。
都道府県別の商標出願の割合
それでは、どこの都道府県の商標出願が多いでしょうか?
2020年の特許庁の公表データによると、都道府県別の商標出願の件数の上位は、以下の通りです。
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やはり、東京・大阪・愛知などの大都市では、商標出願の件数が多いです。
ただし、47都道府県、全ての商標出願がありますので、地域を問わず、様々な人・企業が商標出願しています。
商標出願の内外国の割合
外国の法人・個人でも、日本国内に商標出願することができますので、最後に、商標出願の内外国の割合を紹介します。
2020年の特許庁の公表データによると、以下の通りです。
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2020年の商標出願のうち、約25%が、外国の企業・個人によるものになります。
商標登録件数の上位20社
統計データでは、商標登録件数の上位20社を公表しています。
統計データによると、2022年の上位20社と商標登録の件数は、以下の通りです。
順位 | 権利者名(商標登録の件数) |
1位 | 花王株式会社(575件) |
2位 | 株式会社資生堂(551件) |
3位 | 株式会社コーセー(503件) |
4位 | 株式会社サンリオ(469件) |
5位 | 小林製薬株式会社(415件) |
6位 | パナソニックホールディングス株式会社(345件) |
7位 | 小松マテーレ株式会社(341件) |
8位 | 三菱電機株式会社(212件) |
9位 | 興和株式会社(199件) |
10位 | サントリーホールディングス株式会社(197件) |
11位 | 株式会社バンダイ(190件) |
12位 | ファイザー・インク(186件) |
13位 | 森永乳業株式会社(184件) |
14位 | 大正製薬株式会社(175件) |
15位 | グローブライド株式会社(163件) |
16位 | 第一三共ヘルスケア株式会社(161件) |
17位 | アサヒグループホールディングス株式会社(159件) |
17位 | 株式会社タカラトミー(159件) |
17位 | 任天堂株式会社(159件) |
20位 | 凸版印刷株式会社(155件) |
ランキングを見てみると、日用品メーカー・化粧品メーカーが多いです。
また、医薬品メーカーや飲食品メーカーも積極的に商標出願しています。
このような業種は、取り扱っている商品の数や新製品の数が多いです。
業種によって、商標出願の件数に差が出ます。
・まだまだ個人よりも法人の出願件数の方が多いですが、ここ数年で、個人の商標出願が急増しています
・大都市では、商標出願の件数が多いですが、47都道府県、全ての商標出願があります
・2020年の商標出願のうち、約25%が、外国の企業・個人によるものです
なお、商標登録したい方は、商標専門の弁理士である筆者(角谷 健郎)にご相談ください。

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