ポケカは、大人気のカードゲームで、関連する商標登録も、多数、あります。
商標専門の弁理士である筆者が、徹底的に、ポケカ関連の商標登録を調べました。
ポケカのプレーヤーであれば、楽しめる記事内容になっています。
また、ポケカを保護するための徹底的な商標戦略が学べます。
さらに、ポケカのようなカードゲームについて、どのように商標登録を取得すべきか、分かります。
「ポケカ」(ポケモンカードゲーム)とは
「ポケモン」は、商標登録によって、徹底的に保護されています。
以下の記事で、「ポケモン」関連の商標登録を紹介しています。
その中でも、今回は、「ポケカ」に絞ります。
「ポケカ」とは、「ポケモンカードゲーム」の略です。
ポケモンの題材にしたトレーディングカードゲームです。
対戦型のカードゲームで、ポケモン同士のバトルを再現できます。
1996年10月に最初の商品が発売されて、現在も、大人気です。
2022年のポケカの国内売り上げは、約980億円と言われています。
様々なカードゲームがある中で、圧倒的な人気を誇っています。
そのため、新作のカードパックが出ると、入手が難しく、抽選になったりしています。
「ポケカ」は、商標登録によって、厚く保護されています。
「ポケカ」関連の登録商標や出願商標を紹介していきます!
「ポケカ」(ポケモンカードゲーム)に関連する登録商標や出願商標
以下の通り、「ポケモンカード」や「ポケカ」の商標登録を取得しています。
- ポケモンカード
- ポケモンカードゲーム
- ポケカ
なお、「ポケモンカード」は1997年6月に商標出願されています。
一方、「ポケカ」は2010年3月に商標出願されています。
時系列を考えると、「ポケカ」の略称が広まったので、後から、「ポケカ」の商標出願を進めています。
商標「ポケモンカード」と商標「ポケカ」は類似しない可能性があります。
つまり、「ポケモンカード」の商標登録では、商標「ポケカ」までカバーできない危険性があります。
よって、略称の「ポケカ」の商標出願は、有効です。
なお、略称の商標登録の有効性については、以下の記事で、紹介しています。
なお、ポケモンカードゲームの5番目のシリーズの名称で、「」も、商標登録しています。
正式名称だけではなく、略称の「ポケカ」も、商標登録しています!
ポケモンのカードには、ポケモンの名前とデザインが記載されています。
以下のポケモンカードを例にします。
ポケモンの名前が「ニャオハ」です。
また、猫のようなキャラクターのデザインが記載されています。
多くのポケモンの名前は、商標登録されています。
以下、登録商標の一例を挙げます。
- ニャオハ
- ピカチュウ
- ミュウツー
- イーブイ
- ニャース
- ヒトカゲ
- プリン
- ルギア
- チコリータ
- レックウザ
- インテレオン
- ゾロア
また、ポケモンのキャラクターデザインについても、商標登録している例があります。
以下、ポケモンのキャラクターデザインの商標登録の一例です。
このように、主要なポケモンの名称とデザインは、商標登録で保護されています。
ポケモンの属性(タイプ)とは?
ポケモンには、それぞれ属性が割り振られています。
属性によって、与えられるダメージが変わります。
相性が良ければ、2倍のダメージが与えられます。
ポケモンの属性(タイプ)は、ゲーム上、重要な要素です。
ポケモンカードを見れば、そのポケモンの属性(タイプ)が分かります。
ポケモンの属性(タイプ)の例
以下の通り、ポケモンカードのHP記載の右横に、属性を表すロゴがあります。
この表示から、ポケモンの「ニャオハ」は、「草」タイプだと分かります。
ポケモンの属性(タイプ)の商標登録
以下の通り、ポケモンの属性(タイプ)を表すロゴを、商標登録しています。
さらに、「草」などの属性の名称も、併せて、商標登録しています。
- 及び「草」
- 及び「炎」
- 及び「水」
- 及び「 」
- 及び「超」
- 及び「闘」
- 及び「悪」
- 及び「鋼」
正直、属性の名称まで、商標登録していることに驚きです。
コストを掛けて、徹底的に、商標登録で保護しています。
拡張パックは、ランダムで5枚程度のポケモンカードが封入されています。
数ヶ月に1度のペースで、新作の拡張パックが発売されています。
以下の通り、最近の拡張パックの名称は、漏れなく、商標出願しています。
- ナイトワンダラー(2024年6月7日発売)
- 変幻の仮面(2024年4月26日発売)
- クリムゾンヘイズ(2024年3月22日発売)
- ワイルドフォース(2024年1月26日発売)
- サイバージャッジ(2024年1月26日発売)
- 古代の咆哮(2023年10月27日発売)
- 未来の一閃(2023年10月27日発売)
- レイジングサーフ(2023年9月22日発売)
- 黒炎の支配者(2023年7月28日発売)
- スノーハザード(2023年4月14日発売)
- クレイバースト(2023年4月14日発売)
- トリプレットビート(2023年3月10日発売)
- VSTARユニバース(2022年12月2日発売)
- パラダイムトリガー(2022年10月21日発売)
- 白熱のアルカナ(2022年9月2日発売)
- ロストアビス(2022年7月15日発売)
- ダークファンタズマ(2022年5月13日発売)
- タイムゲイザー(2022年4月8日発売)
- スペースジャグラー(2022年4月8日発売)
ポケカは大人気なので、拡張パックの名称も、多くの人に、広く知れ渡ります。
そういった観点では、拡張パックの名称についても、商標登録を取得するのは、有効です。
なお、ポケモンカードのパックの種類の1つに、「ハイクラスパック」があります。
「ハイクラスパック」とは、その年の大会などで活躍した強力なカードや人気のカードが多く再収録された、年に一度の特別なパックです。
「ハイクラスパック」という名称も、きちんと商標登録しています。
多額のコストを掛けてまで、拡張パックの名称などを、商標登録で保護しています
これまで、ポケモンカードに関連した様々な商品・サービスがリリースされています。
例えば、ポケモンカードのゲームソフトの名称で、「」を商標登録しています。
また、ポケモンカードゲームを始めたばかりの初心者からライトユーザー向けのイベント「ポケモンカードジム」も開催しています。
そのイベントに関連して、「カードジム」の商標登録も取得しています。
さらに、ポケカの中には、以下のように、キラ加工されているカードがあります。
このようなカードは、「キラカード」と言われています。
関連して、「プレミアムキラカード」の商標登録を取得しています。
また、ポケモンカードに関連して「ダメカン」という商品があります。
ポケモンが受けているダメージの数値を表すため、ポケモンカードにのせます。
「ダメカン」も、きちんと商標登録を取得しています。
ファン注目!?発売前の「ポケカ」(ポケモンカードゲーム)のパックの名称が分かる?
以下の記事で詳しく紹介していますが、商標の世界は、「先願主義(早い者勝ち)」です。
商標出願する前に、公表すると、第三者が商標出願してしまうかもしれません。
そのため、基本的には、公表する前に、商標出願します。
出願すると、2~3週間後に、特許庁データベースに、出願内容が公開されます。
公開データベース「J-PlatPat」で出願商標をチェックすると、公表前の商標も分かります。
実際、発表前のパックの名称も、商標出願されていて、データベース「J-PlatPat」に公開されている可能性が高いです。
いわゆる、「商標バレ」している可能性があり、データベース「J-PlatPat」で調べれば、発表前のパックの名称が分かるかもしれません。
実際、商標出願が公開されると、新しいパックの名称ではないか、とSNSなどで話題になります。
なお、ポケカ関連の商標は、「任天堂株式会社」「株式会社クリーチャーズ」「株式会社ゲームフリーク」の3社の名義で、出願しています。
データベース「J-PlatPat」で、出願人名で検索する方法は、以下の記事で紹介しています。
ポケカの熱烈なファンは、データベース「J-PlatPat」で出願商標を調べてみれば、面白いでしょう。
なお、商標登録で分からないことがあれば、筆者(すみや商標知財事務所)にご連絡ください。
弁理士歴12年の商標専門の弁理士
・「ポケカ」関連の商標は、多数、登録されています
・ポケモンの名前だけではなく、ポケモンの属性の名称やロゴも商標登録しています。さらに、カードパックの名称なども、商標登録しています
・データベース「J-PlatPat」で出願商標をチェックすれば、発表前のパックの名称が分かるかもしれません