パッケージ、カタログ、広告などをよく見ると、商標にを付けていることがよくあります。
弁理士として商標業務を行っていると、を使用していいか、頻繁に問い合わせがあります。
商標専門の弁理士が、登録商標マーク(Rマーク)について、分かりやすく説明します。
この記事を読めば、登録商標マーク(Rマーク)の使い方が分かります。
また、登録商標マーク(Rマーク)を使うメリットや注意点を、教えます。
登録商標マーク(Rマーク)とは
そもそも、Rマーク()とは、何を意味するか、分かりますか?
は、「登録された」という意味の「Registered」の頭文字を表し、商標登録表示です。
つまり、を付けることで、その商標が登録されていることを示します。
は、商標登録表示なので、商標が登録になってから、使用しましょう!
登録商標マーク(Rマーク)を付ける4つのメリット
登録商標マーク(Rマーク)を付けるのは、必須ではありません。
しかし、多くの企業が、登録商標に登録商標マーク(Rマーク)を付けています。
登録商標マーク(Rマーク)を付ける代表的なメリットは、以下の通りです。
- 商標権の侵害を未然に防げる
- 商品やサービスのブランド化に役に立つ
- 不使用取消審判を請求されたときに、登録商標の使用を明確に示せる
- 普通名称化の対策になる
登録商標とは知らずに、うっかり、登録商標を使用してしまう人もいます。
登録商標であることを明示すれば、第三者が登録商標であることを認識できます。
よって、第三者による商標権の侵害を未然に防げます。
商標登録しただけでは、一般の方に対して、自社の商標であることを理解してもらいにくい可能性があります。
Rマークを付けて、自社の商標登録であることをアピールできます。
これにより、商品やサービスのブランド化を進めることができます。
商標登録表示(を付けること)の有効性は、以下の審決例で示されています。
「菌活」第二事件の審決例紹介この不使用取消審判では、登録商標マーク(Rマーク)を付していたことが、権利者に有利に働きました。
登録商標マーク(Rマーク)により、登録商標の使用が、より明確になります。
登録商標が普通名称化してしまうと、商標権が空洞化します。
例えば、「エスカレータ」は商品名でした。
しかし、現在では、階段式の昇降機の普通名称として、誰でも、自由に使用できます。
なお、商標の普通名称化については、以下の記事をご参照ください。
登録商標の普通名称化とは?具体例や防止策も紹介普通名称化を防止するための有効な手段が、登録商標マーク(Rマーク)を付けることです。
普通名称化の防止に利用している例
例えば、「UFOキャッチャー」や「プリクラ」はセガ社の登録商標です。
普通名称化を防止するために、積極的にを使用しています。
を付けることで、登録商標の使用が明確になったり、普通名称化を防止できます
【注意】未登録の商標に使用すると、虚偽表示に該当するかも!?
未登録の商標にを使用すると、虚偽表示に該当する危険性がありますので、要注意です。
商標法第74条において、虚偽表示の禁止を定めていて、以下の通りです。
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 登録商標以外の商標の使用をする場合において、その商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為
(以下、省略)
は、商標登録表示なので、商標が登録になってから、使用しましょう!
未登録の商標の場合、「TM」や「SM」を使用しよう!
商標が未登録の場合には、の代わりに「TM」を付けましょう。
「TM」は、「商標」という意味の「trademark」を表しています。
「TM」であれば、商標が登録になっているかどうかに関係なく、使用できます。
また、役務(サービス)に関連する商標の場合、「service mark」を意味する「SM」の使用でもOKです。
商標が登録になっていない場合、の代わりに、TM(もしくはSM)を使用しましょう!
ちなみに、Cマークは著作権表示
マークも、よく目にすることがあります。
は、「Copyright」(著作権)の頭文字を表していて、著作権表示です。
、TM、を正しく使い分けましょう。
外国に製品を輸出する際、登録商標マーク(Rマーク)の使用には、気を付ける!
外国に製品を輸出する際、日本のパッケージを、そのまま利用することがあります。
その場合、登録商標マーク(Rマーク)を付けたまま、外国に製品を輸出する可能性があります。
日本の商標権の効力は日本に限定されて、外国には及びません。
よって、輸出国において、商標登録を保有していなければ、虚偽表示の問題が生じる危険性があります。
登録商標マーク(Rマーク)の使い方が分からなれば、商標専門の弁理士に相談!
登録商標マーク(Rマーク)の使い方については、お客さまから、頻繁に相談を受けます。
登録商標マーク(Rマーク)の使い方で、分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談しましょう。
筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討します!
弁理士歴12年以上の商標専門の弁理士
・は、商標が登録されていることを意味します
・未登録の商標にを付けると、虚偽表示に該当する危険性があるので、注意しましょう
・未登録の商標には、「TM」や「SM」などを使用しましょう