・商標の登録証は、「賞状」みたいなものに過ぎず、特に効力はありません
・登録証を失くしても、特許庁に申請すれば、登録証を再発行できます
・再発行した登録証には、設定登録時の情報が記載されます。最新の登録情報とは異なる可能性があります
商標の登録証とは
特許庁に商標出願して、無事に商標が登録になると、商標の登録証が届きます。
特許庁は、登録日から約2週間後に、登録証を発送します。
なお、権利者が複数いる場合、権利者の数だけ登録証が交付されます。
以下、特許庁ホームページに掲載されている登録証の見本です。
商標登録証を飾っているお店もあります。
見たことある方もいるかと思います。
登録証には、登録番号・登録商標・商標権者・登録日などが記載されています。
ただし、登録証に記載されている権利情報は、設定登録時点のものです。
例えば、商標権が譲渡されたとしても、改めて、登録証が発行されることはありません。
登録証の情報は、設定登録時点のもので、最新のものとは限りません
商標の登録証には、法的な効力なし
お客様から、登録証の効力について、よく質問を受けます。
それでは、商標の登録証には、どういった効力があると思いますか?
結論から言えば、商標の登録証は、「賞状」みたいなものに過ぎず、特に効力はありません。
万が一、商標登録証を紛失したとしても、商標権の効力が失われるわけではありません。
また、商標権の行使の際に、必ずしも登録証を提示する必要はありません。
登録証に記載されている権利情報は、設定登録時のもので、最新のものではありません。
特許庁に申請して入手できる登録原簿には、最新の情報が記載されています。
よって、第三者に警告する際、最新の登録情報を示すため、登録証ではなく、登録原簿を提示するのが一般的です。
さらに、商標の登録証が存在しても、すでに商標登録が消滅している可能性があります。
権利者から登録証を提示されても、商標登録が存続しているか、特許庁データベースでチェックしましょう。
なお、実務上、登録証を利用する機会がたまにあります。
例えば、外国で商標出願した場合、証拠資料として、日本での登録証のコピーを提出することがあります。
また、せっかく、出願した商標が登録になったので、商標の登録証は記念になります。
できれば、登録証を廃棄することなく、きちんと保管することをお勧めします。
登録証には、法的効力はありませんが、できれば、きちんと保管することをお勧めします!
商標の登録証を紛失したら(再発行の申請方法)
登録証を紛失したと相談を受けることがあります。
登録証を紛失したからといって、商標登録が失効するわけではありません。
それでも、再度、登録証を取得したいお客様は、いらっしゃいます。
それでは、登録証を失くしたら、登録証を再発行できるのでしょうか?
結論から言えば、特許庁に申請することで、登録証を再発行できます。
具体的には、以下のような「商標登録証再交付請求書」を特許庁に提出します。
なお、請求書のフォームは、特許庁のホームページから、入手できます。
再発行したい商標登録の登録番号を記載します。
なお、複数の登録証を発行したい場合、全ての登録番号を記載しましょう。
該当する理由に〇をしてください。
例えば、登録証を失くしたのであれば、「紛失」に〇をしましょう。
なお、登録証が破れたり、汚れた場合も、再発行の申請が可能です。
設定登録時の商標権者の住所、及び、氏名もしくは社名を記載します。
例えば、設定登録後に、社名が変更になっていたら、旧社名を記載しましょう。
現在の権利者(請求人)の住所・社名などを記載してください。
なお、法人の場合には、代表者名の記載も必要になります。
破損・汚損の場合、その登録証を添付してください。
紛失の場合には、添付は不要で、この項目を削除しましょう。
特許庁に請求すれば、登録証を再発行できます
商標の登録証の再発行申請における注意点
請求書を提出したら、すぐに登録証が再発行されるわけではありません。
再発行申請してから、発送するまで、3~4週間ぐらい掛かります。
また、再発行した登録証の内容は、設定登録時のものです。
つまり、設定登録した後に、社名を変更していたとしても、旧社名で登録証が再発行されます。
商標登録証再交付請求書の記載内容は、シンプルです。
調べながら、書面を作成すれば、権利者本人でも、請求できます。
なお、弁理士などの専門家に依頼することも可能です。
書類作成の手間を省きたければ、筆者(すみや商標知財事務所)のような専門家への代行依頼を検討しましょう。
商標の登録証で分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談!
商標の登録証で分からないことがあるかもしれません。
そのような場合、商標専門の弁理士に相談しましょう。
筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、迅速かつ丁寧に回答します。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士