・商標登録を維持するために、きちんと更新期限を管理する必要があります
・自分一人で管理する場合には、特許庁データベースや「特許(登録)料支払期限通知サービス」などを活用しましょう
・費用が掛かりますが、特許事務所に依頼したり、民間の更新管理会社を利用する方法もあります
商標登録の更新期限の管理の必要性
商標登録の存続期間は、10年間です。
存続期間が満了する前に、商標登録を更新しないと、商標登録が失効します。
なお、存続期間が満了してから、6ヵ月以内でも、商標登録を更新できます。
しかし、その場合、特許庁に支払う印紙代が、2倍になります。
よって、存続期間が満了する前に、商標登録を更新することが大事です。
きっちり商標登録の更新期限を管理しましょう。
データベース「J-PlatPat」を利用すれば、存続期間を確認できます。
つまり、いつまでに、商標登録を更新する必要があるか、把握できます。
また、自社(自分)が、どのような商標登録・出願を保有しているか、分かります。
以下の記事で、検索方法を紹介しています。
データベース「J-PlatPat」は、商標の管理に、大変に、役に立ちます。
データベースを使いこなせるようにしましょう。
3つの商標登録の更新期限の管理方法
次に、代表的な更新期限の管理の方法を紹介していきます。
以下の3つの方法です。
- 自社(自分)での更新管理
- 特許事務所による更新管理
- 民間の更新管理会社による更新管理
保有している商標登録が少なければ、エクセルなどを利用して、自社で更新期限を管理できます。
更新の申請手続きは、商標出願に比べれば、難しくありません。
具体的には、更新申請書を特許庁に提出します。
詳細については、以下の記事で紹介しています。
なお、商標登録を更新したら、きちんと更新期限をアップデートしましょう。
また、定期的に、更新期限に間違いがないか、チェックすべきです。
特許庁データベースの情報と照合しましょう。
なお、特許庁は、令和2年4月1日から「特許(登録)料支払期限通知サービス」を提供しています。
納付時期の徒過による権利失効の防止を目的としています。
主に中小企業・個人事業主・個人の権利者を対象にしたサービスです。
具体的には、メールアドレスやパスワードを設定して、アカウントを登録します。
次に、納付期限を管理したい案件を登録します。
そうすると、登録案件の納付期限の6ヵ月前となると、通知メールが届きます。
なお、登録できる案件は50件までなので、注意しましょう。
自分で更新手続きすれば、手数料が掛からないので、最も費用を節約できます
特許事務所が代理して、商標出願することが多いです。
その場合、通常、担当した特許事務所が、案件を管理します。
更新期限が近付いたら、特許事務所から、商標登録の更新案内が届きます。
更新案内が届いたら、商標登録を更新するか、検討します。
その場合、更新の申請手続きは、特許事務所が代理して、行うことが一般的です。
ただし、特許事務所に全面的に頼るのも、危険です。
たまには、特許庁データベースを利用して、自分でも更新期限をチェックしましょう。
商標出願から、その後の管理まで、特許事務所にお任せするパターンです
商標登録の更新管理を専門にしている民間会社もあります。
自社(自分)で商標出願した場合、自力で更新期限を管理する必要があります。
もし、更新期限の管理に不安があれば、更新管理会社に依頼することが考えられます。
更新管理会社に依頼すれば、更新期限が近付けば、連絡してくれます。
また、一般的に、特許事務所に依頼するよりも、手数料が安いです。
そのため、年間に何十件も商標出願する大企業が、更新管理会社を利用することが多いです。
ただし、商標登録になるたびに、更新管理会社に連絡して、管理を依頼する必要があるでしょう。
その手間が、煩わしいかもしれません。
商標登録の更新期限の管理方法の比較
商標登録の更新期限の管理方法を3つ紹介しました。
これらの3つの方法には、各々、メリット・デメリットがあります。
比較しやすいよう、以下のリストにまとめました。
メリット | デメリット | |
自社(自分)での管理 | ・費用を節約できる ・50件までなら、「特許(登録)料支払期限通知サービス」を利用可能 | ・自社(自分)で、きちんと更新期限を管理する必要がある |
特許事務所による管理 | ・出願から一貫して管理してくれる ・更新期限が近くなると、更新案内が届く ・更新申請手続きを自分で行う必要がない | ・特許事務所の代理費用が掛かるので、費用が高額に |
管理会社による管理 | ・更新期限が近くなると、更新案内が届く ・通常、更新申請手続きも対応してくれる ・一般的に、特許事務所に依頼するより、費用が安い | ・商標登録のたびに、管理会社に連絡する必要があるかも |
どの方法にも、一長一短あります。
商標管理の体制、掛けられるコストや商標登録の件数に応じて、どう管理するか、決めましょう。
商標登録の更新期限の管理方法で迷ったら、商標専門の弁理士に相談!
どのように商標登録の更新期限を管理するか、迷うこともあるかと思います。
その場合には、商標実務に精通している商標専門の弁理士に相談することをお勧めします。
なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。
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