商標調査はいつ行うべき?商標調査のベストなタイミングを解説

商標登録の可能性や使用リスクを知るために、商標調査することが多いです。

それでは、いつ商標調査すべきでしょうか?

以下のような人に読んでほしい!

・商標調査を検討している人

・いつ商標調査すべきか、知りたい人

・新たにビジネスを始めようとしている人

筆者は、10年以上、商標専門の弁理士として働いています。

商標調査のタイミングが遅れて、苦労した経験も数多いです。

この記事を読めば、商標調査のベストなタイミングが分かります

また、これまでの経験をもとに、商標出願までの理想的な流れを教えます

ネーミングと並行して、商標調査すべき!

新たにビジネスを始めたり、会社を作る際に、社名・商品名やサービス名を、どうするか検討します。

いわゆる「ネーミング」を行い、いくつかの候補名称を出します。

このタイミングで、候補名称について、商標調査すべきです。

ビジネスの早い段階で、忘れずに、きちんと商標調査を進めましょう。

ネーミングの時が、商標調査のベストなタイミングの理由

以下の理由により、ネーミングの時が、商標調査のベストなタイミングと考えます。

ネーミング時に、商標調査すべき理由

① 調査結果が、どの名称にするかの判断の役に立つ!

② 商標調査の結果が悪かったときに、別の名称を採択する余地がある!

調査結果が、どの名称にするかの判断の役に立つ!

ネーミングの際に、いくつか候補名称を出すことが多いです。

その中から、実際に、どの名称にするか選ぶ際に、商標調査の結果が役に立ちます

例えば、5つの候補名称の調査を行い、商標調査の結果が、以下の通りでした。

候補名称A登録可能性が40%程度
候補名称B登録可能性が70%以上
候補名称C登録可能性が20%以下
候補名称D登録可能性が50%程度
候補名称E登録可能性が70%以上

上記のケースであれば、候補名称BとEは、商標登録になる可能性が高いです。

どちらかの名称を採択すべきと判断できます。

商標調査の結果が悪かったときに、別の名称を採択する余地がある!

商標調査して、必ずしも、良い結果が得られるとは限りません。

すでに先行商標が存在する場合も、多々あります。

ネーミングの段階であれば、いくつかの候補名称があります。

そのため、調査結果が悪ければ、別の名称を採択することで対応できます

ネーミング~商標出願の理想的な流れ

商標出願する直前に、商標調査するのが一般的です。

ただ、商標調査の前に、すでに対象の商標を使用していることが多いです。

商標を使用開始→商標調査→商標出願

しかし、このようなケースだと、商標調査で、問題となる先行商標が見つかった場合、大変です。

仮に、商標を変更する場合、看板やパンフレットなどを修正することになり、多額の費用が掛かります

初心者くん
初心者くん

同一もしくは類似する先行商標があると大変ですね

虎さん
虎さん

その他にも、不使用取消審判で、商標登録の取り消しを図る方法などがありますが、いずれにしても、コストや労力が掛かります!

商標を使用する前、もっと早い段階で、商標調査すべきです。

ネーミングから商標出願までの理想的な流れは、以下の通りです。

ネーミング

言いやすさ、親しみやすさ等を考慮して、いくつかの候補名称を出しましょう!

商標調査

できれば、専門家(弁理士)に依頼して、候補名称の商標調査を進めましょう!

調査の結果が悪ければ、再度、ネーミングしましょう!

使用する名称を決定

調査結果が良かった候補の中から、使用する名称を決めましょう!

商標出願

第三者に出願されないために、名称を公開する前に、商標出願しましょう!

商標調査を後回しにしていると、権利行使されるかも!?

商標の業務は、後手に回りがちです。

特に、中小企業やスタートアップ企業だと、そのような傾向が強いです。

商標調査や商標出願せずに、商標を使用していることが多々あります。

しかし、同一もしくは類似する先行商標が存在している場合、警告状が送付されて、商標権侵害を主張されるかもしれません

商標権侵害で訴えられると、以下のような対応が必要になるかもしれません。

商標権侵害で訴えられると

看板やパンフレットなどの廃棄・訂正

損害賠償金の支払い

信用回復措置として、謝罪広告などの掲載

このようなリスクを排除するためにも、どのような先行商標があるか、早期に把握することが重要です

まとめ

・商標調査は、ネーミングと並行して、進めるべきです。ネーミング段階であれば、調査結果が名称の選択の役に立ち、また、調査結果が悪ければ、別の名称を採択することで対応できます

・「ネーミング→商標調査→使用する名称を決定→名称を公開する前に商標出願」が理想的な流れです!

・商標調査を後回しにして、商標を使用していると、商標権侵害で訴えれる危険性があります!

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