【注意】宅急便は登録商標!?普通名称と勘違いしやすい登録商標を紹介

普通名称と勘違いしやすい登録商標が、いくつか、あります。

その代表例が、「宅急便」です。

以下のような人に読んでほしい!

宅急便など、普通名称と勘違いしやすい登録商標を知りたい人

なるべく商標トラブルを避けたい人

普通名称と勘違いしやすい商標登録を保有している人

弁理士歴10年以上の商標専門の弁理士が、普通名称と勘違しやすい登録商標を、教えます

また、そのような登録商標とのトラブルの回避法を伝えます

さらに、そのような商標登録を保有している商標権者に対して、注意点を教えます。

記事の信頼性
記事の信頼性

すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています

・商標専門の弁理士として、12年以上、働いています

これまで、膨大な量の商標相談を受けました

・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です

配達サービスの「宅急便」とは

何か郵送するときに、宅急便を利用することがありませんか?

宅急便は、日本全国へ配達できるサービスで、年中無休で利用できます。

ネットショッピングやフリマサイトが普及する中、ますます宅急便を利用する機会が増えています。

それでは、ここで質問です。

「宅急便」は、登録商標でしょうか?

それとも、誰でも自由に使用することができる普通名称でしょうか?

虎さん
虎さん

あなたは、普通名称のように、日常的に「宅急便」の語を使用していませんか?

宅急便は登録商標か?

【結論】「宅急便」は、登録商標です!

結論からいえば、「宅急便」は、ヤマトホールディングス社の登録商標です。

(ヤマト運輸株式会社のホームページより)

現に、以下のような商標登録が存在します。

商登第3023793号)                                            

また、ヤマトホールディングス社は、標準文字でも「宅急便」の商標登録(商登第4939122号)を取得しています。

このような状況なので、うっかり、宅配事業に「宅急便」の名称を使用したとします。

そうすると、ヤマトホールディングス社の商標権の侵害に該当します。

初心者くん
初心者くん

宅配便が、登録商標だと知りませんでした

虎さん
虎さん

気が付かずに使用した場合も、商標権侵害に該当するので、要注意です!

一方、「宅配便」は、貨物の輸送サービスを示す普通名称

似たような名称の「宅配便」なら、どうでしょうか?

「宅配便」の商標登録はなく、「宅配便」は貨物の輸送サービスを示す普通名称です。

よって、「宅配便」であれば、他者の商標権を侵害することなく、問題なく使用できるでしょう。

「宅急便」の商標登録に注意した競合の運送業者の使用例

実際、競合の運送業者は、「宅急便」ではなく、「宅配便」の語を使用しています

(佐川急便の公式ホームページより)
(西濃運輸の公式ホームページより)
(日本通運の公式ホームページより)

このように、商標トラブルを回避するため、「宅急便」の使用を避けていることが分かります。

要約すると

「宅急便」は、ヤマトホールディングス社の登録商標

 ↓

うっかり、宅配事業に、「宅急便」を使用すると、商標権を侵害する危険性がある

 ↓

多くの運送業者が、「宅急便」ではなく、「宅配便」の語をサービス名に使用している

「宅急便」以外の普通名称と勘違いしやすい登録商標

「宅配便」以外にも、普通名称と勘違いしやすい登録商標は、多いです。

例えば、「セロテープ」、「washlet」(ウォシュレット)や「プリクラ」も登録商標です。

商登第546229号)                                             
商登第3231599号)                                           
商登第4232768号)                                            

「セロテープ」は、ニチバン株式会社の登録商標で、紛らわしいですが、「セロハンテープ」が普通名称です。

(ニチバン株式会社の公式ホームページより)

また、「washlet」(ウオシュレット)は、TOTO株式会社の登録商標で、「温水洗浄便座」が普通名称です。

(TOTO株式会社の公式ホームページより)

さらに、「プリクラ」は、株式会社セガの登録商標で、「プリントシール機」が普通名称です。

(株式会社セガの公式ホームページより)
初心者くん
初心者くん

「セロテープ」や「プリクラ」も、登録商標なんですね

虎さん
虎さん

うっかり、自分の事業に使用すると、商標権の侵害で訴えられる危険性があります!

その他にも、以下の名称が、実は、登録商標です。

「宅急便」で学ぶ!商標トラブルの回避(事前に商標登録を調べよう!)

普通名称だと思った名称が、実は登録商標の可能性があります。

データベース「J-PlatPat」を利用すれば、登録商標がどうか、調べることができます

データベース「J-PlatPat」の利用方法は、以下の記事をご参照ください。

出願・登録されている商標の検索方法を分かりやすく紹介!

自分で調べるのが、難しければ、プロに頼んで、商標調査してもらいましょう。

なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご依頼いただければ、喜んで、お手伝いします!

商標調査の実績、多数あります

登録商標だと気が付かずに、使用していたら、商標権侵害に該当して、トラブルになる危険性があります

事業を展開していく中で、うっかり、他人の登録商標を使用しないよう、注意しましょう。

虎さん
虎さん

普通名称だと思っていた名称が、意外にも登録商標である可能性があります。商標調査が重要です!

「宅急便」で学ぶ!商標権者は、普通名称化の対策が必要!

今度は、このような登録商標を保有する商標権者の立場になって、考えます。

商標権者は、普通名称にならないように、注意すべきです。

登録商標が、不特定多数の人に使用された結果、誰の商品・サービスなのか、分からなくなることがあります。

このような事態を「商標の普通名称化」と言います。

普通名称化した商標の代表例

・エスカレーター

・正露丸

・うどんすき

なお、「商標の普通名称化」については、以下の記事で、より詳しく紹介しています。

登録商標の普通名称化とは?具体例や防止策も紹介

普通名称化してしまうと、商標権が空洞化してしまい、商標権を行使できなくなる危険性があります。

このような事態を回避するために、普通名称化の対策が重要です。

具体的には、商標にRマークを付けたりして、登録された商標であることを明示しましょう

初心者くん
初心者くん

せっかく商標登録を取得しても、普通名称化すると、商標権が空洞化するんですね

虎さん
虎さん

そのような事態を防ぐため、例えば、セガ社は、「プリクラ」が商標登録であることを積極的にアピールしています!

なお、Rマークの使用方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

【登録商標マーク(Rマーク)の使い方】メリットや注意点も紹介

分からないことや困ったことがあれば、弁理士(専門家)に相談しよう!

実際に、事業を進めていくと、他者の商標権を侵害していないか、心配になることもあるでしょう。

自分で調べても、分からないことや困ったことがあれば、商標専門の弁理士に相談しましょう。

商標トラブルを避けるためには、早めに専門家に相談するのが重要です。

なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご連絡いただければ、親身になって、一緒に検討します。

業界では珍しい「商標専門」の弁理士

まとめ

・「宅急便」は、ヤマトホールディングス社の登録商標で、「セロテープ」や「washlet」(ウォシュレット)も登録商標です

・普通名称だと思ったものが、実は登録商標のことがあるので、注意しましょう

・一方、このような登録商標の権利者は、普通名称化しないよう、Rマークを付けるなど、きちんと対策する必要があります

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