・弁理士は、知財(知的財産権)の専門家です。特許庁への申請の代行など、知財に関する様々な業務を取り扱っています
・弁理士は、特許事務所や一般企業の知財部・法務部などで、働いています。また、弁理士の平均年齢は、53.46歳です
・理系出身の弁理士が、圧倒的に多いです。そのため、特許をメインに取り扱っている弁理士が、多く、商標専門の弁理士は珍しいです
弁理士の仕事
筆者も、弁理士ですが、弁理士は、弁護士や税理士に比べて、知名度が低いです。
弁理士は、どんな仕事をしているか、分かりますか?
知的財産権を取得したい方のために、代理して特許庁への手続きを行うのが弁理士の主な仕事です。
知的財産権とは、具体的には、商標権、特許権、実用新案権、意匠権などです。
弁理士に商標出願を依頼することが多いです。
特許庁への申請の代行は、弁理士だけに許されている専権業務です。
弁理士以外が、商標業務を代理した場合には、法律に違反します!
また、商品・サービスを模倣されたときの対策、他社の権利を侵害していないか等の相談も、弁理士の仕事です。
弁理士は、知的財産権についての相談を受け、助言、コンサルティングまで行います。
なお、後述しますが、理系出身の弁理士が、圧倒的に多いです。
そのため、特許をメインに取り扱っている弁理士が、多いです。
弁理士になるには
弁理士になる方法は、主に、以下の3つです。
- 弁理士試験に合格する
- 特許庁の審査官・審判官として、通算7年以上、働く
- 弁護士の資格で、弁理士登録する
実際には、「弁理士試験に合格する」ことで、弁理士になる人が多く、統計上、90%以上です。
筆者も、弁理士試験に合格して、弁理士になりました。
弁理士試験の難易度
弁理士試験は、毎年1回、行われます。
5月に1次試験の短答式、7月に2次試験の論文式、10月に3次試験の口述式が行われます。
弁理士試験は、難関試験の1つです。
2023年の統計データだと、志願者数3417人に対して、合格者の数は188人です。
合格率は、6.2%に過ぎません。
弁理士試験に合格するまで、数年、掛かることが多いです。
弁理士が働いている場所
弁理士は、特許事務所で、知財業務に従事している人が多いです。
その中には、自分で事務所を経営している人と雇われて働いている人がいます。
また、近年では、一般企業の知財部・法務部でも、弁理士が働いていることが多いです。
弁理士会は、最新の統計データを公表しています。
2023年末の弁理士会の統計データだと、以下の通りです。
- 特許事務所(弁理士法人)に勤務 36.0%
- 特許事務所(弁理士法人)を経営 33.7%
- 一般企業に勤務 24.8%
- その他 5.5%
分かりやすく、グラフにすると、以下の通りです。
弁理士の平均年齢
統計データによると、弁理士の平均年齢は、53.46歳です。
年齢分布をグラフにすると、以下の通りです。
中央値としては、45~49歳が最も多く、次いで、50~54歳が多いです。
社会人になってから、弁理士の存在を知り、それから、弁理士を目指す人が多いです。
そのため、弁理士の平均年齢が高くなっています。
弁理士の文系・理系の割合
特許を専門にしている弁理士が多いです。
そのため、理系出身の弁理士が多数です。
実際、弁理士の統計データをみると、8割近くの弁理士が、理系出身です。
グラフにすると、以下の通りです。
筆者は、商標専門の弁理士ですが、業界では、かなり珍しいです。
弁理士の実務経験
弁理士会は、会員の在会年数を公開しています。
これによって、弁理士の実務経験を推測できます。
統計データによると、弁理士会の在会年数の平均は、15.98年です。
統計データをグラフにすると、以下の通りです。
中央値としては、9~14年が最も多く、次いで、15~19年が多いです。
弁理士の一人事務所の割合
弁理士は、知財の専門家として、一人で仕事している人も、多数、います。
所属している弁理士が一人だけの事務所、いわゆる「一人事務所」も多いです。
弁理士会の統計データをグラフにすると、以下の通りです。
弁理士事務所のうち、70%以上が、「一人事務所」です。
弁理士である筆者の場合は
ちなみに、弁理士である筆者の場合は、以下の通りです。
- 2011年に弁理士試験に最終合格
- 現在、特許事務所(一人事務所)を経営
- 1986年生まれ
- 文系出身で、商標専門
- 弁理士として実務経験は12年以上
統計データと比較すると、25歳で弁理士試験に最終合格したので、年齢の割には、実務経験があります。
また、理系が多い中、文系出身で、商標専門の弁理士事務所です。
もし、商標登録などで、お困りのことがあれば、筆者(すみや商標知財事務所)まで、ご相談ください。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士