映画のタイトル――それは作品の顔であり、時に一大ブランドとして世界中に広まるものです。
では、そのタイトルが「商標」として守られていることをご存じでしょうか?
実は、すべての映画タイトルが商標登録されているわけではありません。
しかし、グッズ展開やシリーズ化など、ブランド価値が極めて高い作品では商標登録が重要な戦略のひとつになっています。
この記事では、『君の名は。』や『アナと雪の女王』など興行収入トップ5の映画タイトルが実際に商標登録されているかを調査し、それぞれの戦略や背景を解説していきます。

・すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています
・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています
・本記事の執筆のために、時間を掛けて、映画タイトルの商標登録をチェックしました
・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です
商標登録されている映画タイトルは限られている!
あなたは、最近、どんな映画を観ましたか?
毎年、膨大な量の映画が公開されます。
しかし、その中で、映画タイトルを商標登録している例は、限られています。
それでは、日本の歴代興行収入ベスト5の映画のタイトルは、商標登録を取得しているのでしょうか?
映画タイトルの商標登録を紹介!
この記事を執筆している時点での歴代興行収入ベスト5の映画のタイトルについて、商標登録を取得しているか、チェックしました。
ランキング形式にして、紹介します。
第5位は、2016年の公開の映画「君の名は。」です。

興行収入が、約250億円です。
下記の通り、公開後の2017年6月に商標出願して、商標登録を取得しています。

なお、権利者は、東宝株式会社になります。
第4位は、2014年公開の映画「アナと雪の女王」です。

興行収入が、約255億円です。
下記の通り、公開後の2015年1月に商標出願して、商標登録を取得しています。

権利者は、アメリカのディズニー社になります。
なお、以下の通り、ディズニー社は、原題の名称についても、商標登録を取得しています。

第3位は、1997年公開の映画「タイタニック」です。

興行収入が、約262億円です。
カタカナでの「タイタニック」では商標登録を取得していませんでした。
しかし、アルファベットの「TITANIC」が商標登録になっていました。

出願日は、公開後の1998年4月になります。
なお、権利者は、アメリカの20世紀スタジオ社になります。
第2位は、2001年公開の映画「千と千尋の神隠し」です。

興行収入が、約317億円です。
以下の通り、公開前の2000年7月に商標出願して、商標登録を取得しています。

権利者は、株式会社スタジオジブリになります。
なお、「千と千尋の神隠し」の英語でのタイトル名称も、商標登録を取得しています。

第1位は、2020年公開の映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」です。

興行収入が、驚異の約404億円です。
「鬼滅の刃」は、漫画・アニメのタイトルでもあります。
映画の公開前に、以下の通り、「鬼滅の刃」の商標登録を取得しています。

権利者は、株式会社集英社になります。
なお、映画の公開前の2020年6月に、集英社は、「無限列車」の商標を出願して、商標登録を取得しています。

・毎年、多くの映画が公開されますが、その中でも、商標登録を取得している映画のタイトルは、限られています
・日本での歴代興行収入ベスト5の映画のタイトルについて、商標登録を取得しているか、調べてみたので、紹介します
商標登録で分からなければ、商標専門の弁理士に相談!
人気映画タイトルのように、商標登録することは、多々あります。
しかし、実際に商標登録しようとすると、分からないことが出てくるでしょう。
分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談しましょう!

なお、商標登録で分からないことがあれば、筆者(角谷 健郎)にご連絡ください。
事務所HPからもご相談いただけますが、以下のフォームからも簡単にお問い合わせいただけます。