・令和4年度の知財功労賞の商標部門で選べられた企業の1つが、お菓子で有名な「株式会社明治」になります
・「きのこの山」や「たけのこの里」などで立体商標制度を積極的に活用していて、また、社会貢献活動に関連した商標の活用が評価されました
・外国において、「meiji」や「明治」のハウスマークの商標を、広く保護していることも評価されて、外国でも多くの商標登録を取得しています
はじめに
あなたは、知財功労賞を知っていますか?
その名の通り、経済産業省と特許庁は、知財制度を有効に活用した企業を表彰しています。
特許・意匠・商標などの分野ごとに、毎年、受賞企業が選ばれています。
令和4年度の知財功労賞の商標部門で選べられた企業の1つが、お菓子で有名な「株式会社明治」になります。
それでは、知財功労賞の受賞理由から、株式会社明治の商標戦略を検討していきます。
立体商標制度の活用
まず、受賞理由の1つとして、立体商標制度の活用が挙げられています。
立体商標とは、立体的な形状からなる商標のことで、詳しくは、以下の記事をご参照ください。
明治社は、2018年に、以下の「きのこの山」の立体商標について、商標登録を取得しました。
さらに、2021年には、以下の「たけのこの里」の立体商標についても、商標登録を取得しました。
なお、どちらも、商標法3条2項が適用されて、商標登録が認められました。
つまり、本来的には、商標としての特徴(識別力)がないものの、長年、使用した結果、この形状を見たら、明治社の製品と認識できる程、有名になったため、例外的に商標登録が認められました。
なお、調べてみると、明治社は、立体商標制度の活用に積極的なようです。
以下のようなヨーグルトのパッケージデザインの立体商標なども、商標登録を取得しています。
社会貢献活動に関連した商標の活用
明治社が、社会貢献活動に関連した商標を活用していることも評価されました。
例えば、明治社は、「メイジ・カカオ・サポート」というカカオ農家支援活動を行っています。
具体的には、現地での勉強会の開催、苗木センターの開設、技術指導など、カカオ農家の生産性や収益面でのサポートに取り組んでいます。
この事業に関連して、以下のような商標登録を取得しています。
また、アグロフォレストリーという農法で作られた以下のチョコレートも販売しています。
アグロフォレストリーとは、自然の生態系にならって、多種の農林産物を共生させながら栽培する農法になります。
このような事業に関連して、以下のような商標登録も取得していることも、受賞理由の1つになります。
外国への商標出願
外国において、「meiji」や「明治」のハウスマークの商標を、広く保護していることも評価されました。
日本及び外国約90ヵ国でハウスマークの商標の維持・保全を通じて、消費者からの安心・信用を獲得しているとのことです。
調べてみると、外国においても、「」や「」などを商標出願していることが分かりました。
明治社は、世界的に商品を販売しているので、日本だけではなく、外国においても、商標登録を取得しています。