商標の登録料は、どうやって納付する?納付書の記載方法や一括納付・分割納付の各々のメリットを紹介

まとめ

・登録査定が届き、出願商標を登録するためには、「商標登録料納付書」を特許庁に提出する必要があります

・納付書には、「出願番号」「商標登録出願人」などを記載します

・原則、10年分一括での登録料の納付をお勧めしますが、長期的には使用しない可能性のある商標などは、5年分の分割納付が考えられます

商標の登録料の納付期限(登録査定から30日以内)

特許庁の審査で、出願商標の登録が認められると、登録査定が送付されます。

登録査定が届いただけで、出願商標が自動的に登録にはなりません。

出願商標を登録にするには、登録査定が届いてから30日以内に、登録料を納付する必要があります。

具体的には、特許庁に商標登録料納付書を提出します。

虎さん
虎さん

特許庁から登録査定が届いたら、速やかに検討・対応しましょう!

商標登録料納付書の記載方法

次に、商標登録料納付書の記載方法について、説明します。

特許庁のホームページから、以下のような様式見本を入手できます。

記載項目ごとに、簡単に記載方法を説明していきます。

書類名

「商標登録料納付書」と記載してください。

宛名先

特許庁長官の氏名までは記載する必要はありません。

「特許庁長官 殿」と記載すれば十分です。

出願番号

登録料を納付する商標出願の出願番号を記載してください。

出願番号は登録査定に記載されています。

なお、分からなければ、特許庁のデータベースで調べられます。

商品及び役務の区分の数

対象の商標出願の商標及び役務の区分の数を記載します。

例えば、18類と25類の2区分を指定している場合、「2」と記載します。

なお、登録料の納付と同時に、区分単位で指定商品・役務を削除することができます。

もし、18類と25類の2区分で出願して、登録料の納付と同時に、18類の全ての指定商品を削除するとします。

その場合、登録料納付の対象は、25類の1区分だけなので、「1」と記載しましょう。

商標登録出願人

出願人の氏名又は名称を記載します。

なお、例えば、社名が変わり、登録料納付と同時に、名称変更届を提出した場合、新社名を記載すべきです。

その場合、【その他】の項目を設けて、「令和〇年〇月〇日に名称変更届を提出」のように記載するのが望ましいです。

納付者

登録料を納付する者の情報を記載します。

なお、識別番号を記載した場合、【住所又は居所】の欄を省略可能です。

識別番号は、特許庁から送付される「識別番号通知」に記載された番号です。

【代表者】の欄は、納付者が法人の場合のみ、設けましょう。

印紙代

郵送もしくは特許庁の窓口で、商標登録料納付書を提出する場合、特許印紙を貼ります。

なお、収入印紙ではなく、特許印紙なので、注意しましょう

10年分一括で納付する場合の印紙代は、区分数×32,900円です。

一方、5年分分割で納付する場合の印紙代は、区分数×17,200円です。

納付の表示

5年分の分割納付をする場合、【納付の表示】の欄を設けて、「分割納付」と記載します。

一方、10年分一括納付する場合、【納付の表示】の欄は不要です。

その他

登録料の納付と同時に、区分単位で指定商品・役務を削除できます。

その場合、【その他】の欄を設けて、「商標法第68条の40第2項の規定による手続補正書を同時に提出」と記載しましょう。

虎さん
虎さん

区分の数を減らしたり、分割納付の場合には、記載内容に注意しましょう

商標登録料納付書の記載例

筆者は、自分の事務所ロゴを、個人の名義で商標出願しています。

10年分で登録料を納付する場合、以下のように、商標登録料納付書を記載します。

商標の登録料の納付書の作成におけるアドバイス

商標出願の願書に比べて、記載内容はシンプルで、出願人本人でも対応できます。

ただ、実際に作成してみると、不明な点が出てくることがあります。

そのような場合、知り合いの弁理士・特許庁に相談しましょう。

また、手間や労力を省きたいのであれば、筆者(すみや商標知財事務所)のような弁理士に依頼しましょう。

業界では珍しい「商標専門」の弁理士

ただし、弁理士に依頼した場合、弁理士に手数料を支払う必要があります。

商標の登録料の納付方法(一括納付と分割納付)

登録料の納付方法は、10年分一括納付と5年分分割納付の2パターンがあります。

10年分一括納付と5年分分割納付、それぞれのメリットを紹介します。

一括納付のメリット

一括納付を選択する方が、大多数です。

一括納付のメリットは、料金面になります。

一括納付の場合、特許庁に支払う印紙代は、区分数×32,900円になります。

一方、5年分の分割納付の場合、特許庁に支払う印紙代は、区分数×17,200円です。

つまり、10年分の印紙代の総額は、区分数×34,400円です。

よって、10年分の総額の費用で考えると、一括納付した方が、お得です

また、一括納付を選択すれば、10年間のうち、登録料納付の手続きが1回で済みます

社名関連の商標やハウスマークなどは、長期間の使用が想定されます。

10年間、使用し続ける可能性が高いので、登録料の一括納付が考えられます。

虎さん
虎さん

10年分の総額が抑えられるので、原則、一括納付をお勧めしています

分割納付のメリット

次に、分割納付のメリットを紹介します。

登録から5年以内に、登録商標の使用を中止することがあります。

分割納付を選択していれば、後半5年分の登録料を納付しなくて済むので、費用を抑えられます。

世の中、次々に新製品・新サービスが出てきます。

昔よりも、商品やサービスのライフサイクルも短くなっています。

ライフサイクルが短い事業に使用する商標や、売り上げによっては中止する可能性のある商標もあります。

そのような商標であれば、分割納付を選択するメリットがあります。

また、一括納付よりも、登録時に支払う費用を抑えることができます。

予算に制限がある場合も、分割納付を選択することが考えられます。

虎さん
虎さん

長期間、出願商標を使用しない可能性がある場合や登録時の費用を抑えたい場合、分割納付が考えられます

商標の登録料の納付で分からなければ、特許庁や商標専門の弁理士に相談!

商標の登録料の納付で分からないことがあれば、特許庁に問い合わせましょう。

担当者が丁寧に対応してくれるはずです。

また、商標専門の弁理士に相談するのもアリです。

筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。

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