・「ワールドカップ」の語を使用した世界大会の名称は、いくつも存在します
・「ワールドカップ」だけでは、どのイベントを指しているか、分からず、ワールドカップの商標は誰のものでもありません
・実際、団体名や競技名を「ワールドカップ」の語と組み合わせることで、商標登録がすみ分けられています
ワールドカップとは
あなたは、「ワールドカップ」と聞いて、どのようなイベントを思い浮かべますか?
多くの人は、サッカーの世界大会のワールドカップを思い浮かべるでしょう。
ただ、ラグビー好きの人は、ラグビーのワールドカップを想起するかもしれません。
さらに、2023年には、日本でも、バスケットボールのワールドカップが開催されて、盛り上がりました。
バスケットボールのワールドカップを想起する人もいるかと思います。
その他の世界的なイベントの名称にも、「ワールドカップ」が使用されています。
それでは、「ワールドカップ」の商標は、誰のものでしょうか?
「ワールドカップ」の語が使用された世界大会のイベント名称は、いくつもあります
サッカーなどのスポーツイベントの「ワールドカップ」の商標登録
スポーツイベントの名称として、「ワールドカップ(World Cup)」を含む登録商標が、いくつも存在します。
以下、スポーツイベントの分野での商標登録の一例になります。
なお、「FIFA」は、国際サッカー連盟の略称です。
登録商標「FIFA WORLD CUP」は、サッカーのワールドカップです。
「ワールドカップ」だけでは、どのスポーツの大会か、判断できない
サッカーのワールドカップの「FIFA WORLD CUP」が、最も有名でしょう。
しかし、サッカー以外にも、様々なスポーツ・競技の「ワールドカップ」の名称が、併存して、商標登録になっています。
つまり、「ワールドカップ」の語だけでは、どのスポーツの大会か、判断できません。
スポーツの名称や団体名と組み合わせることで、どこが主催する何の国際大会か、判断できます。
よって、「ワールドカップ」の商標は、誰のものでも、ありません。
スポーツイベント分野で、「ワールドカップ」単体での商標登録はないのですか?
「ワールドカップ」単体での商標登録はありません。スポーツの名称や団体名を組み合わせることで、商標登録が併存しています!
その他のイベントの「ワールドカップ」の商標登録
娯楽などのイベントの分野でも、「ワールドカップ(World Cup)」を含む登録商標が、いくつも存在します。
以下、娯楽などのイベント名称での商標登録の一例です。
娯楽などのイベントの分野でも、「ワールドカップ」だけでは、何の大会か、判断できません。
他の単語と組み合わせることで、各社の商標が、併存して、商標登録になっています。
娯楽などのイベントの分野でも、「ワールドカップ」単体での商標登録はなく、「ワールドカップ」を含む商標が併存して、登録になっています
ワールドカップから考える「商標登録のすみ分け」
「ワールドカップ」の語は、様々な分野で「世界大会」の意味合いで使用されています。
「ワールドカップ」だけでは、人によって、思い浮かべる大会も違うので、誰の商標でもありません。
「FIFA」などの団体名や「RUGBY」(ラグビー)などの競技名を組み合わせることで、商標登録がすみ分けられています。
このように、他の単語・言葉を組み合わせることで、商標登録が併存している事例が多々あります。
あなたが商標出願を検討している場合、社名や団体名を組み合わせることで、先行商標で区別できるかもしれません。
商標登録の併存状況が、先行商標と区別できるかの1つの目安になります。
データベース「J-PlatPat」を利用して、チェックしてみましょう。
実務上、社名や団体名を付けることで、商標登録を取得することは、よくあります
「商標登録のすみ分け」で分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談!
「商標登録のすみ分け」で分からないこともあるかと思います。
もし、分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談しましょう。
なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士