【マドプロ】マドプロ出願のメリットとは

まとめ

・マドプロ出願を利用することで、商標登録の取得コストを大幅に削減できる可能性があります

・また、1つの商標権で、複数の国をカバーすることができるので、商標権の管理を簡便化することができます

・その他、事後指定によって、容易に権利を拡張できたり、各国での迅速な審査を期待できるといったメリットもあります

マドプロ出願とは

通常、外国に商標出願するためには、現地代理人を通じて、各々の知財局に出願書類を提出する必要があります。

しかし、マドプロ出願を利用すれば、マドプロ加盟国に対して、一括で商標出願することがあります

マドプロ加盟国は、現在、アメリカ・中国・韓国など、110ヵ国を超えます。

商標の実務上、外国に商標出願する際に、マドプロ出願を利用することは頻繁にあります。

マドプロ出願の概要については、以下の記事をご参照ください。

それでは、マドプロ出願のメリットについて、紹介していきます。

商標登録の取得コストの削減

各国ごとに、直接、商標出願する場合、基本的に、現地代理人に依頼することになるので、出願国ごとに現地費用が発生します。

現地費用とは、現地代理人に支払う費用や印紙代などです。

一方で、マドプロ出願の場合には、現地代理人を介さずに、出願手続きを進められます。

よって、現地代理人に依頼する必要がないので、商標登録の取得に掛かるコストは削減することができます。

特に、出願する国が多い場合には、マドプロ出願によって、大幅にコストカットできます。

なお、各国での審査の結果、登録を認められない旨の通知を受けることがあります。

そのような通知に応答する場合には、現地代理人を任命して対応することになるので、現地費用が発生します。

現地代理人を介さずに商標出願を進められるので、出願コストを大幅に節約できる可能性があります!

商標権の管理の簡便化

各国ごとに、直接、商標出願した場合、それぞれ管理する必要があります。

また、登録になるタイミングが違うので、商標権の更新期限も国ごとに異なります。

更新手続きなども、各国ごとに、現地代理人に依頼して、進める必要があります。

一方、マドプロ出願の場合には、1つの商標権で複数の国をカバーできるので、管理する商標権は1つで済みます。

また、国ごとに更新期限が異なることはなく、更新期限は、国際登録日から10年後になります。

さらに、更新手続きや名称変更手続きも、国際事務局に1通の書面を提出すれば、全ての指定国で効力が発生します

1つのマドプロ登録で複数の国をカバーすることができ、また、国ごとに更新期限が異なることはないので、商標権の管理が容易です

各国での迅速な審査

各国ごとに、直接、商標出願した場合には、特段、審査期間に限定されていないので、いつ登録になるか、分かりません。

国によって、登録になるまでに、数年、掛かることも、珍しくありません。

一方、マドプロ出願の場合には、各国の審査期間が定められています

具体的には、国際事務局が各国の知財局に通知した日から、1年もしくは1年6ヵ月になります。

事後指定による権利の拡張

マドプロ出願には、事後指定という制度があります。

事後指定手続きにより、出願時に指定(出願)していなかった国を追加することができます。

また、マドプロ加盟国は、どんどん増えています。

出願後にマドプロに加盟した国に対しても、事後指定手続きによって、新たに指定(出願)できる可能性があります。

マドプロ出願後でも、事後指定手続きにより、指定国(出願国)を増やすことができます

比較的、簡単な出願手続き

各国ごとに、直接、商標出願する場合には、各国ごとに知財局に出願書類を提出する必要があります。

また、出願書類も、現地の言語で記載する必要があります。

一方、マドプロ出願の場合には、日本国特許庁に出願書類を提出するだけで、出願手続きが完了します

また、出願書類は、英語で記載できるので、出願書類の作成は、比較的、簡単で、分かりやすいです。

マドプロ出願の出願書類は、英語で記載でき、また、提出先は、日本の特許庁になります

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