・マドプロとは、商標の国際登録手続きを簡素化するための条約で、120以上の国・地域が加盟しています
・日本の特許庁ホームページから、最新のマドプロ加盟国の一覧リストを入手でき、マドプロに加盟しているか、調べられます
・マドプロ加盟国は増え続けているので、最新のリストをチェックする等、いくつかの注意点があります
マドプロ加盟国とは
マドリッド協定議定書は、商標の国際登録手続きを簡素化するための条約で、その略称が、「マドプロ」です。
この条約に加盟している国・地域を、マドプロ加盟国といいます。
日本は、2000年に、マドプロに加盟したので、マドプロ加盟国です。
また、アメリカ・中国・シンガポール・韓国・ブラジルなど、多くの国もマドプロに加盟しています。
マドプロ加盟国であれば、マドプロ出願を利用して、外国に一括して商標出願することができます。
なお、マドプロ出願の概要については、以下の記事をご参照ください。
【マドプロ】商標専門の弁理士が、マドプロ出願の概要を、分かりやすく説明!日本はマドプロ加盟国なので、外国に商標出願する際に、マドプロ出願を利用できます
マドプロ加盟国の調べ方(特許庁ホームページの利用)
商標の実務で、マドプロ出願を利用する際には、マドプロに加盟しているか、チェックします。
そのような場合、最新の加盟国一覧リストをみて、確認しています。
加盟国一覧リストは、日本の特許庁のホームページから入手できます。
参考までに、「マドリッド協定議定書締約国一覧」の抜粋は、以下の通りです。
100ヵ国以上の国・地域がマドプロに加盟しています。
加盟国数が多いので、加盟しているか、チェックする際には、見落とさないよう、気を付けましょう。
100ヵ国以上の国・地域がマドプロに加盟していてるので、多数の国に商標出願する際、マドプロ出願が有効です!
マドプロ加盟国をチェックする際の「注意点」
マドプロ加盟国をチェックする際に、例えば、以下のような点に気を付けましょう。
- 増え続けるマドプロ加盟国
- オランダ・ベルギー・ルクセンブルクの商標出願は、まとめて「ベネルクス」
- EUへの加盟と脱退
- 一部のマドプロ加盟国での事後指定の制限
マドプロ加盟国は増え続けています。
2021年以降だけでも、パキスタン・チリ・ジャマイカ・アラブ首長国連邦など、9ヶ国が加盟しました。
マドプロ加盟国をチェックする際には、最新の情報を入手するよう、注意しましょう。
マドプロ加盟国のリストを見ると、「ベネルクス」があります。
マドプロ出願で「ベネルクス」を指定すれば、その効力は、オランダ・ベルギー・ルクセンブルクの3ヵ国に及びます。
ただし、オランダ・ベルギー・ルクセンブルクを個別に指定することはできませんので、注意しましょう。
オランダ・ベルギー・ルクセンブルクは、「ベネルクス」として、マドプロに加盟しています
マドプロ出願で、欧州連合知的財産庁(EUIPO)を指定することができます。
これにより、欧州連合(EU)の加盟国をカバーすることができます。
しかし、EU加盟国は、増減していて、近年では、イギリスがEUから脱退しました。
欧州連合知的財産庁(EUIPO)を指定する場合、最新のEU加盟国を確認しましょう。
欧州連合知的財産庁(EUIPO)を指定すれば、EU加盟国を全てカバーできますが、EU加盟国も増減しています
マドプロ出願した後に、指定国(出願国)を追加することができます。
この手続きを「事後指定」といいます。
しかし、国際登録日によっては、一部の加盟国での事後指定ができません。
「マドリッド協定議定書締約国一覧」の注釈の5番目に、以下のように、記載されています。
具体例を使って説明
分かりにくいので、具体例を挙げて、説明します。
例えば、あなたが国際登録を保有していて、国際登録日が2019年1月1日だったとします。
新たにブラジルに商標出願しようとしても、この国際登録では、ブラジルを事後指定できません。
なぜなら、ブラジルでのマドプロの効力発生日は2019年10月2日で、国際登録日よりも後だからです。
なお、このような事後指定の制限がある加盟国は、ブラジル・インド・フィリピン・エストニアなので、注意しましょう。
マドプロ出願に興味があれば、商標専門の弁理士に相談!
マドプロ出願は、外国に商標登録する際に、頻繁に利用される制度です。
マドプロ出願に興味があれば、専門家に相談しましょう。
なお、何十件・何百件もマドプロ出願を経験した商標専門の弁理士をオススメします。
商標専門の弁理士の筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。
マドプロ出願の実績、多数あり