サブタイトル・サブブランドも商標登録すべき?登録の重要性を「ドラクエ」で解説

商品名やサービス名に「サブタイトル」や「サブブランド」を付けるのは、もはや当たり前の時代。

たとえば、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズでは、単なるタイトルだけでなく「そして伝説へ…」「天空の花嫁」といった副題がブランドの一部として強く認識されています。

ところが、サブタイトル・サブブランドは商標登録の対象として見落とされがちで、実は模倣や便乗のリスクにさらされていることも。

本記事では、「ドラゴンクエスト」の事例をもとに、サブタイトル・サブブランドを商標として守る必要性と、ビジネスにおけるネーミング戦略の考え方を、商標専門の弁理士が分かりやすく解説します。

記事の信頼性
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すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています

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目次

  1. サブブランド・サブタイトルとは
  2. 「ドラクエ」から学ぶサブタイトル・サブブランドの商標登録の必要性
  3. 【参考】「ゼルダの伝説」のサブタイトルの商標登録
  4. サブタイトル・サブブランドを商標登録しないリスク
  5. サブタイトル・サブブランドを商標登録するための費用
  6. サブタイトル・サブブランドの商標登録のやり方
  7. サブタイトル・サブブランドの商標登録の「よくある質問」(FAQ)
  8. 【まとめ】サブタイトル・サブブランドの商標登録を検討すべき!

サブブランド・サブタイトルとは

商品名やサービス名には、メインとなる名称のほかに、補足的な名称が付けられることが多いです。

これらは一般に「サブタイトル」や「サブブランド」と呼ばれます。

それぞれ、より具体的に説明していきます。

サブタイトルとは

サブタイトルとは、メインの商品名・サービス名に付される副題です。

たとえば、ゲームや書籍、映画などでは、「メインタイトル+副題」のように用いられることが一般的です。

サブタイトルは、一見すると補足的な名称に見えます。

しかし、長年使用されることで、メインタイトルとは別に記憶・認識されるブランドになることもあります。

サブブランドとは

サブブランドとは、メインブランドの下で展開される、別ライン・別シリーズとしての名称を指します。

サブブランドには、「メインブランドの世界観を引き継ぎつつ、特定のコンセプトやターゲットを示す」という役割があります。

サブブランドは、基本的に、事業上、独立した識別標識として使われます

「ドラクエ」から学ぶサブタイトル・サブブランドの商標登録の必要性

「ドラクエ」は、人気ゲームタイトル「ドラゴンクエスト」の略称

あなたは、「ドラクエ」を知っていますか?

ドラクエとは、「ドラゴンクエスト」というゲームタイトルの略称です。

1986年にエニックス社(現:スクウェア・エニックス社)が販売したゲームです。

1987年には「ドラゴンクエストⅡ」、1988年には「ドラゴンクエストⅢ」が発売されました。

社会現象になる程、爆発的な人気を博しました。

その後も、シリーズ化して、この記事を執筆している時点では、「ドラゴンクエストⅪ」まで発売されています。

また、今後、「ドラゴンクエスⅫ」を発売することが公表されています。

「ドラゴンクエスト」の商標登録

スクウェア・エニックス社は、「ドラゴンクエスト」(DRAGON QUEST)の商標登録を保有しています

「ドラゴンクエスト」の商標登録で、様々な商品・サービスをカバーしています。

以下、登録商標の一例です。

商登第2136712号
商登第4925996号

また、「ドラゴンクエスト」の略称の「ドラクエ」も有名です。

スクウェア・エニックス社は、略称の「ドラクエ」の商標登録も取得しています。

商登第5582832号

なお、略称の商標登録の必要性については、以下の記事で紹介しています。

その略称、守れていますか?商標登録で見落とされがちな落とし穴

一方、「ドラゴンクエストⅡ」や「ドラゴンクエストⅢ」などのゲームタイトルの商標登録を取得していません

上述した通り、「ドラゴンクエスト」(DRAGON QUEST)の商標登録を保有しています。

「ドラゴンクエストⅡ」などのゲームタイトルは、「ドラゴンクエスト」に数字を組み合わせものに過ぎません。

よって、このようなゲームタイトルも、既存の登録商標でカバーできると、権利者は判断しています。

「ドラクエ」のサブタイトルの商標登録

「ドラクエ」には、毎回、サブタイトルが付けられています。

例えば、「ドラゴンクエストⅡ」は、サブタイトルが「悪霊の神々」です。

(出典:株式会社スクウェア・エニックスの公式ウェブサイトより)

また、「ドラゴンクエストⅢ」だと、サブタイトルは「そして伝説へ…」です。

(出典:株式会社スクウェア・エニックスの公式ウェブサイトより)

スクウェア・エニックス社は、サブタイトルについて、漏れなく商標登録を取得しています

  • 悪霊の神々(商登第5148063号)
  • そして伝説へ・・・(商登第5148064号)
  • 導かれし者たち(商登第4539791号)
  • 天空の花嫁(商登第5148065号)
  • 幻の大地(商登第5148066号)
  • エデンの戦士たち(商登第4409151号)
  • 空と海と大地と呪われし姫君(商登第4766315号)
  • 星空の守り人(商登第5057387号)
  • 目覚めし五つの種族(商登第5399949号)
  • 過ぎ去りし時を求めて(商登第5826007号)

なお、未発売の「ドラゴンクエスⅫ」のサブタイトルは、「選ばれし運命の炎」の予定です。

チェックすると、すでに商標登録を取得しています。

商登第6522848号

【結論】ドラクエのサブタイトルの商標登録は効果絶大!

ゲーム好きの人なら、サブタイトルだけで、ドラクエを想起する可能性が高いです

また、サブタイトルについても、広く知れ渡っています。

そういった現状では、サブタイトルの商標登録を取得するスクウェア・エニックス社の戦略は、有効です。

【参考】「ゼルダの伝説」のサブタイトルの商標登録

ちなみに、人気ゲームの「ゼルダの伝説」も、以下の通り、サブタイトルの商標登録を取得しています。

  • 神々のトライフォース(商登第5603815号)
  • 風のタクト(商登第4648716号)
  • 時のオカリナ(商登第4278885号)
  • ムジュラの仮面(商登第4429507号)
  • 夢をみる島(商登第3138528号)

サブタイトル・サブブランドを商標登録しないリスク

サブタイトルやサブブランドもブランド価値を形成します。

よって、これらを商標登録しないことによるリスクがいくつも存在します。

ここでは、実務で起こりうる代表的なリスクを整理します。

他者に模倣・便乗されるリスク

第三者が同じ名称や似た名称を他の商品・サービスで使ってしまうリスクがあります。

商標登録すれば、こうした模倣や便乗行為を法的に抑止できます

顧客・市場の混同を招くリスク

サブタイトルやサブブランドは、顧客が商品・サービスを記憶し、区別する上で役立ちます。

しかし、保護されていない場合、「顧客が出所を誤認する」といった混同リスクが高まります。

これは長期的なブランド価値の毀損につながります。

他者に商標登録されてしまって、権利を取れなくなるリスク

商標権は、先に商標出願した者に優先権があります。

サブタイトルやサブブランドについて検討が後回しになると、「競合が先に同じ名称を登録してしまう」といった事態が現実に起こりえます。

先に権利を取られてしまうと、最悪の場合、名称の変更に追い込まれます。

ブランドの統一性を維持できなくなるリスク

サブタイトルやサブブランドは、ブランド全体のメッセージや世界観を伝える要素です。

これを保護していないと、ブランド構造が散逸して、ブランド戦略上の不整合が生じる危険性があります。

商標登録は、ブランドの一貫性を維持するための土台にもなります。

サブタイトル・サブブランドを商標登録するための費用

サブタイトル・サブブランドを商標登録するためには、特許庁に商標出願する必要があります。

ざっくりと言えば、①出願時と②登録時に、費用が掛かります。

弁理士すみや
弁理士すみや

特許庁での審査で、拒絶理由通知を受けた場合、別途、拒絶理由通知に応答するための費用が掛かる可能性があります

出願時に掛かる費用

自分で商標出願した場合でも、特許庁に支払う印紙代が、掛かります。

以下の通り、印紙代は、区分(商品・サービスのカテゴリー)の数で、決まります。

1区分目:12,000円

追加1区分あたり:8,600円

また、弁理士に商標出願を依頼すると、弁理士の手数料も掛かります。

ちなみに、筆者の事務所(すみや商標知財事務所)の場合、以下の通りです。

1区分目:50,000円(税抜)

追加1区分あたり:30,000円(税抜)

登録時に掛かる費用

登録時にも、特許庁に支払う印紙代が掛かります。

なお、登録料の納付方法は、10年分一括と5年分分割を選ぶことができ、印紙代は、各々、以下の通りです。

10年分一括(10年分の費用):32,900円(1区分あたり)

5年分分割(5年分の費用):17,200円(1区分あたり)

また、弁理士が商標出願を代理している場合、弁理士の手数料も掛かります。

ちなみに、筆者の事務所(すみや商標知財事務所)の場合、区分の数に関係なく、30,000円(税抜)です。

サブタイトル・サブブランドの商標登録のやり方

サブタイトル・サブブランドを商標登録するには、商標登録の願書を特許庁に提出します。

知的財産・支援ポータルサイトにおいて、願書の様式をダウンロードできます。

サブタイトル・サブブランドの商標登録の「よくある質問」(FAQ)

以下は、読者の方が迷いがちな実務上の疑問に対して、簡潔に答えたFAQです。

記事本文と合わせてご活用ください。

Q1. メインタイトルを商標登録すれば、サブタイトルやサブブランドも守られますか?

原則として、サブタイトルやサブブランドを保護できません。

サブタイトルやサブブランドも保護したいのであれば、別途、商標登録するのが確実です。

Q2. サブタイトルやサブブランドを、すべて商標登録する必要がありますか?

必ずしもすべてを登録する必要はありません。

重要なのは、「模倣・便乗されたら困るか」といった観点から、守るべき名称を選別することです。

実務では、ブランドの中核となる名称から優先的に登録し、段階的に保護範囲を広げていくケースが多いです。

Q3. あとから人気が出たサブタイトルでも、商標登録できますか?

可能ですが、リスクは高まります。

使用実績が増えることでブランド価値が高まるケースもありますが、同時に、「第三者に先に商標出願される」リスクも高まります。

人気が出てから慌てて出願するよりも、将来性がある段階で検討する方が安全です。

Q4. サブタイトルやサブブランドの商標登録は、専門家に相談すべき?

はい、特に判断に迷う場合は相談をおすすめします。

サブタイトル・サブブランドは、メインブランドとの関係性など、実務的な検討事項が多くあります。

自己判断で進めると、「登録できなかった」「守りたい範囲を守れなかった」といった結果になることもあります。

そのため、早い段階で専門家に相談することが有効です。

初回の相談、無料!

【業界では珍しい「商標専門」の弁理士】

【まとめ】サブタイトル・サブブランドの商標登録を検討すべき!

本記事のまとめ

・「DRAGON QUEST」などは、登録商標です。しかし、「ドラゴンクエストⅡ」や「ドラゴンクエストⅢ」などのゲームタイトルは、商標登録していません

・一方、「そして伝説へ…」などのサブタイトルについて、漏れなく商標登録を取得。サブタイトルだけでも、ドラクエを想起するので、商標登録の効果は絶大です

・サブタイトル・サブブランドを商標登録しないとリスクがあるので、商標登録の取得を検討すべき!

なお、弁理士に頼らずに、自力で商標出願を進めて、商標登録を取得することもできますが、手間や時間が掛かります。

手間や時間を省略したい方は、商標専門の弁理士に、サブタイトル・サブブランドの商標登録をお願いしましょう。

筆者(すみや商標知財事務所)にご依頼いただければ、一緒に検討しながら、迅速に対応します。

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