どのような商品・サービスに権利を求めるか、商標出願の願書(申請書)には指定商品・役務を記載します。
指定商品・役務は、権利範囲になるので、適切かつ正確に記載すべきです。
指定商品・役務の表示が不適切だと、特許庁から拒絶理由が通知されます
特許庁のウェブサイトにおいて、指定商品・役務の記載方法のよくある間違いを公表しています。
そこで、下記のような点に注意しながら、正しく指定商品・役務を記載しましょう。
商品・役務を区切る記号に「、」(読点)を使用しない
指定商品・役務を複数記載する際、商品・役務を区切りは、「、」(読点)ではありません。
正しくは、「,」(カンマ)です。
具体的な事例で紹介!
例えば、3類において、「つや出し剤」「せっけん類」「化粧品」の3つの商品を指定したいとします。
その場合、以下のように記載します。
(不適切な例)
【第3類】
【指定商品(指定役務)】 つや出し剤、せっけん類、化粧品
↓
(正しくは)
【第3類】
【指定商品(指定役務)】 つや出し剤,せっけん類,化粧品
一つの商品・役務を表示する場合は、「、」(読点)を使用する!
一方、一つの商品・役務を表示する場合には、「,」(カンマ)ではなく、「、」(読点)を使用します。
具体的な事例で紹介!
(不適切な例)
【第35類】
【指定商品(指定役務)】 化粧品,歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
↓
(正しくは)
【第35類】
【指定商品(指定役務)】 化粧品、歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
誤記に注意
願書を提出する前に、指定商品・役務の記載に誤記がないか、確認しましょう。
具体的な事例で紹介!
特許庁は、誤記の例として、以下のようなものを挙げています。
41類「映画・園芸・演劇の興行の企画又は運営」
↓
正しくは「映画・演芸・演劇の興行の企画又は運営」
1類「人口甘味料」
↓
正しくは「人工甘味料」
33類「発砲ワイン」
↓
正しくは「発泡ワイン」
類似群コードを願書に記載しない
類似群コードは、願書の記載事項ではありません。
願書には、商品名や役務名だけを記載しましょう。
具体的な事例で紹介!
(不適切な例)
【第43類】
【指定商品(指定役務)】 飲食物の提供 42B01
↓
(正しくは)
【第43類】
【指定商品(指定役務)】 飲食物の提供
適切な日本語での記載
外国の出願人の場合、特許事務所宛てに、英語の指定商品・役務の表記で商標出願の依頼を受けることが多々あります。
英語の発音を片仮名文字で起こしただけのものなど、和訳が不十分なケースがあります。
具体的な事例で紹介!
(不適切な例)
【第42類】
【指定商品(指定役務)】 コンピュータシステムデザイン,インターネットセキュリティコンサルタンシー,ディベロップメント・オブ・コンピュータ―プラットフォーム
↓
(正しくは)
【第42類】
【指定商品(指定役務)】 コンピュータシステムの設計,インターネットセキュリティに関する助言,コンピュータ―プラットフォームの開発
・「,」(カンマ)や「、」(読点)を正しく使い分けましょう
・願書を提出する前に、誤記がないか、チェックしましょう
・願書には類似群コードは記載せず、また、外国の出願人の場合、適切な日本語に訳しましょう