「777」のような数字は、商標登録できると思いますか?
商標専門で弁理士歴12年以上の筆者が、疑問に答えます。
数字は商標登録できるか、その理由と対応策が分かります。
また、数字から生じる音を表示した商標について、どのようなケースであれば、商標登録できるか、教えます。
数字は、原則、商標登録できない!
結論からいえば、数字は、原則、商標登録できません。
特許庁の審査で、通常、商標としての特徴性(専門的に言うと、「識別力」)がないと判断されるからです。
商標としての特徴性(識別力)がないと、他人の商品・サービスと区別できません!
商標法第3条では、商標登録の要件(条件)を規定しています。
同条第1項第5号において、以下の商標は、商標としての特徴性(識別力)がないので、原則、登録できない旨、定めています。
極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標
「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」とは、どういった商標ですか?
どのような商標が該当するか、商標審査基準で例示されています!
商標審査基準によると、数字は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当します。
よって、「777」のような数字の商標出願は、原則、特許庁の審査で拒絶されます。
数字の商標の主要な対応策(ロゴでの商標登録の取得)
それでは、数字をロゴ化した商標の場合、どうでしょうか?
この場合、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」には該当せず、商標登録を取得できる可能性があります。
よって、数字の場合、ロゴ化して商標出願することが考えられます。
例えば、以下のようなロゴ商標が、登録になっています。
商標登録は、類似範囲にも、その効力が及びます。
つまり、登録商標に類似するロゴの商標を第三者が使用した場合、商標権を行使できます。
しかし、第三者の数字の使用に対しては、商標登録の効力が及ばない可能性が高いです。
文字としての数字は、商標としての特徴がなく、原則、誰でも自由に使用できるからです。
数字のロゴ商標は、権利範囲が必ずしも広くないので、注意です!
数字から生じる音を表示した商標の登録可能性
数字の「12」は「じゅうに」や「トウエルブ」と読むことができます。
これらの読みを文字商標として商標出願した場合には、どのように判断されるでしょうか?
商標審査基準によると、以下の商標は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当します。
仮名文字のうち、1桁又は2桁の数字から生ずる音を表示したものと認識されるもの
よって、「じゅうに」や「トウエルブ」は、2桁の数字である「12」から生ずる音を表示したものに過ぎず、原則、商標登録できません。
また、商標審査基準によると、以下の商標も、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当します。
仮名文字のうち、3桁の数字から通常生ずる音を表示したものと認識されるもの
例えば、3桁の数字である「510」から生ずる音を表示した「ファイブハンドレッドアンドテン」も、原則、商標登録できません。
一方、「仮名文字のうち、3桁の数字から生ずる音を表示したものと認識されるが、通常、生ずる音とは認められないもの」であれば、登録できる可能性があります。
商標審査基準では、このような例として、「ファイブテン」を挙げています。
数字の商標登録で分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談!
数字の商標を商標登録しようとすると、分からないことが出てくると思います。
分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談することをお勧めします。
なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご連絡いただければ、一緒に検討・対応します。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士
・文字商標で数字を商標出願した場合、原則、識別力を有さないとして、登録できません
・1桁又は2桁の数字から生ずる音や3桁の数字から生ずる音を表示した商標も、原則、識別力を有さないとして、登録できません
・一方、「ファイブテン」のように、3桁の数字から生ずる音でも、通常、生ずるものでなければ、商標登録の可能性があります