早く商標登録したいというニーズは高いです。
しかし、特許庁の審査に時間が掛かるので、すぐには、商標登録にはなりません。
商標専門の弁理士である筆者が、様々な制度を利用して、最速で商標登録にする方法を検討しました。
この記事を読めば、商標登録になるまでに掛かる通常の期間や登録を早める制度・ポイントが分かります。
また、実際に、通常よりも、早く商標登録になった実例を伝えます。
通常、出願してから、商標登録になるまで、7~9ヵ月程度!
スムーズにいっても、通常、商標出願してから、商標登録になるまで、7~9ヵ月程度、掛かります。
例えば、以下の登録第6783473号の商標登録は、2023年8月10日に出願して、2024年3月1日に登録されました。
商標出願してから登録になるまで、約7ヶ月、掛かっています。
案件によって、登録までの期間が大きく違うので、注意です!出願してから、1年経っても、商標登録になっていないケースも、多数、あります
商標登録になるまでの期間については、以下の記事で、詳しく紹介しています。
なお、商標出願する前に、商標調査や商標出願の願書(申請書)の作成をします。
そのため、実際に、商標出願しようと思ってから、商標登録になるまでには、さらに時間が掛かります。
最速で商標登録にする方法
「商標登録になるまで、そんなに待てない」という相談は、よく受けます。
そこで、筆者が提案する、最速で商標登録にする方法は、以下の通りです。
先行商標を簡単に確認するだけであれば、1日も掛かりません
願書(申請書)の作成時間を短縮するため、できれば、弁理士に依頼しましょう
早期審査が適用になれば、大幅に審査期間を短縮できます
【Step1】 ざっと先行商標をチェック
同一もしくは類似の先行商標が存在した場合、商標登録が遅れる、もしくは、そもそも、商標登録できない危険性があります。
あまり時間を掛けられない場合でも、事前に、ざっと先行商標をチェックしましょう。
公開データベースの「J-PlatPat」を利用すれば、誰でも、先行商標を調べられます。
なお、先行商標の調べ方については、以下の記事で、紹介しています。
商標調査に慣れていなければ、調査ミスする危険性があるので、弁理士に依頼することをお勧めします。
筆者のような商標専門の弁理士の場合、ざっと先行商標をチェックするだけなら、1日も掛からず、短時間で対応できます!
【Step2】 調査した結果、問題なければ、なるべく早く商標出願
調査した結果、同一もしくは類似の先行商標が見つからなければ、なるべく早く商標出願しましょう。
できれば、以下の理由より、弁理士に依頼することをお勧めします。
また、フットワークが軽く、迅速に対応してくれる弁理士に依頼しましょう。
対応が遅い弁理士だと、商標出願まで、時間が掛かる危険性があります。
【Step3】 商標出願したら、早期審査を申請
早期審査が適用されれば、大幅に審査期間を短縮できます。
早期審査を適用するために、特許庁に「早期審査に関する事情説明書」を提出しましょう。
また、以下の通り、早期審査には利用条件があるので、注意です。
出願商標を既に使用している、もしくは、使用の準備を、相当程度、進めていることが、必須の条件です!
早期審査の申請方法や利用条件については、以下の記事で、詳しく紹介しています。
【Step4】 審査が終わり、登録査定が届いたら、すぐに登録料を納付
特許庁の審査官が、商標登録を認めると判断したら、登録査定が届きます。
早期に商標登録にするために、登録査定が届いたら、すぐに登録料を納付しましょう。
どうやって、登録料を納付するんですか?
具体的には、「商標登録料納付書」を特許庁に提出します!
2ヶ月程度で、商標登録できるかも
上記のようなステップを踏めば、2ヶ月程度で、商標登録できる可能性があります。
実際に、早期に商標登録できた実例を紹介します。
第6701600号の商標登録は、2023年4月3日に商標出願して、5月25日に商標登録されました。
商標出願してから、商標登録になるまで、2ヶ月、掛かっていません。
この案件では、①早期審査を申請していて、②登録査定が届いた当日に登録料を納付しています。
実例を踏まえると、ご提案したステップで対応できれば、商標登録までの期間を2ヶ月程度に短縮できる可能性があります。
・商標出願してから、商標登録になるまで、通常、7~9ヵ月程度、掛かりますが、より早く商標登録を取得したいというニーズは高いです
・早期審査の活用やフットワークの軽い弁理士への依頼などで、商標登録になるスピードを速められます
・実例を踏まると、商標登録までの期間を2ヶ月程度に短縮できる可能性があります