【キャラクターの商標登録】検索のやり方や注意点を紹介!

様々な企業や個人が、自分のキャラクターを作成して、ビジネスに使用しています。

実際、ビジネスで使用されている多くのキャラクターが、商標登録されています。

ただし、同一もしくは類似の先行商標が存在すると、商標権侵害の危険性があるので、事前に先行商標を検索すべきです。

虎さん
虎さん

筆者は、10年以上、商標専門の弁理士として働いていて、数多くのキャラクターの商標調査をお手伝いしました!

しかし、多くの人が、先行商標の検索のやり方を知りません

以下のような人に読んでほしい!

・先行商標の検索方法を知りたい人

・キャラクターを商標登録する前に、商標調査したい人

・キャラクターの名称などをどうするか、迷っている人

この記事を読めば、キャラクターを商標登録する前の先行商標の検索方法のやり方が分かります。

また、キャラクターを商標登録するにあたり、先行商標を検索する際の注意点も教えます。

目次

  1. キャラクターが商標登録できるか、検索するには?
  2. 【キャラクターを商標登録する前】図形の検索のやり方
  3. 【キャラクターを商標登録する前】図形の検索の具体例
  4. 【キャラクターを商標登録する前】キャラクター名称の検索のやり方
  5. 【キャラクターを商標登録する前】キャラクター名称の検索の具体例
  6. キャラクターを商標登録する前の検索の注意点
  7. キャラクターを商標登録する前の検索(調査)に掛かる費用
  8. キャラクターを商標登録する前に検索しても、分からなければ、商標専門の弁理士に相談!

キャラクターが商標登録できるか、検索するには?

キャラクターを商標登録する前に、先行商標を検索します。

その場合、通常、オンラインの公開データベース「J-PlatPat」を使います。

虎さん
虎さん

「J-PlatPat」には、誰でも無料で利用できます!

キャラクターの外観(見た目)が類似する図形の先行商標がないか、チェックする必要があります。

また、キャラクターには、各々の名前があります。

キャラクター名についても、類似する先行商標がないか、調べましょう。

【キャラクターを商標登録する前】図形の検索のやり方

まず、キャラクターの外観(見た目)と類似する先行商標がないか、検索する必要があります。

キャラクター図形の先行商標の検索方法は、以下の通りです。

【Step1】まずは、対象の商品・サービスの類似群コードを調べる

類似群コードは、商品・サービスが類似するかの判断の基準です。

類似群コードが一致していれば、商品・サービスが類似すると推定されます。

一方、相違していれば、商品・サービスが類似しないと推定されます。

なお、商品・サービスの類否判断については、以下の記事で、詳しく紹介しています。

【重要】商品・役務(サービス)が類似するか、どうやって判断する?類似群コードの使い方を説明!

類似群コードは、特許庁データベースを利用して、調べられます。

まずは、データベース「J-PlatPat」の「商標」の欄から、「商品・役務名検索」をクリックしましょう。

検索キーワードに、対象の商品名・サービス名を入力して、類似群コードを調べます。

【Step2】対象のキャラクター図形の図形等分類を調べる

次に、調査対象のキャラクター図形の図形等分類を検討します。

公開データベース「J-PlatPat」の「図形等分類表」を使いましょう。

キーワード検索や分類表を利用して、図形等分類を調べます。

初心者くん
初心者くん

図形等分類は、出願人が決めるんですか?

虎さん
虎さん

出願人が決められません。出願した商標に基づき、特許庁が図形等分類を付与します

【Step3】次に、「商標検索」の欄から、先行商標を調べる

特許庁データベースの「商標」の欄から、「商標検索」をクリックします。

「図形等分類」と「類似群コード」を入力して、検索しましょう。

【Step4】先行商標と類似するか、検討

検索して、ヒットしたからといって、必ず類似するわけではありません。

調査対象のキャラクター図形と先行商標が類似するか、検討しましょう。

商標が類似するか、正確に判断するには、専門的な知識や経験が必要になります。

【Step5】対象の先行商標の現状をチェック

対象商標の登録番号をクリックすると、商標の現状が分かります。

その中には、「存続期間満了日」が記載されています。

念のため、商標登録が存続しているか、確認しましょう。

【Step6】調査したキャラクター図形が商標登録できそうか、結論を出す

最後に、先行商標の検索結果をもとに、キャラクター図形が商標登録できそうか、判断します。

同一もしくは類似する先行商標が存在した場合、商標登録できないだけではなく、商標権侵害のリスクがあります。

できれば、そのようなキャラクターを採択しないことをお勧めします。

【キャラクターを商標登録する前】図形の検索の具体例

具体例を出して、キャラクター図形の先行商標の検索方法を説明します。

このホームページで使っている、以下のキャラクターを商標登録したいとします。

このキャラクター図形に、類似する先行商標がないか、調べます。

【Step1】「商標に関する情報の提供」の類似群コードを調べる

筆者は弁理士で、本サイトでは、商標に関する情報を提供しています。

以下の通り、「商品・役務名」に「商標」「情報」と、それぞれ入力します。

「検索」ボタンをクリックすると、以下のような検索結果が表示されます。

「商標に関する情報の提供」の類似群コードは、「42R01」だと分かります。

【Step2】対象のキャラクター図形の図形等分類を検討する

対象のキャラクター図形()は、虎をモチーフとしています。

図形等分類表を調べると、以下のように、記載されています。

これにより、虎の図形の図形等分類が「3.1.4.01」だと分かります。

虎さん
虎さん

図形によっては、複数の図形等分類に該当する可能性があるので、注意です!

【Step3】類似する先行商標がないか、検索する

「商標検索」で、対象の図形等分類の「3.1.4.01」を入力します。

また、「類似群コード」の欄に、対象の類似群コード「42R01」を入力します。

この条件で、検索してみると、9件の先行商標がヒットします。

検索すると、商標(法律)情報の提供の分野において、虎の図形の先行商標が表示されます。

【Step4】先行商標と類似するか、検討する

検索してヒットした先行商標が、調査対象の図形と類似するか、個別に検討していきます。

筆者がチェックした限りでは、調査対象の図形と、明らかに類似する先行商標は見つかりませんでした。

【Step5】調査した図形が商標登録できそうか、結論を出す

データベースで検索した限り、商標情報の提供の分野において、類似する先行商標は見つかりませんでした。

よって、先行商標の関係においては、対象のキャラクター図形()は、商標登録できそうです。

また、現状、類似する先行商標は存在しないので、使用しても、問題なさそうです。

【キャラクターを商標登録する前】キャラクター名称の検索のやり方

キャラクターには名前があり、キャラクター名もビジネスで使用することが多いです。

実際、キャラクター名を商標登録することが多々あります。

よって、キャラクター名称についても、先行商標を調べる必要があります。

【Step1】まずは、対象の商品・サービスの類似群コードを調べる

図形の場合と同様、まずは、対象の商品・サービスの類似群コードを調べます。

データベース「J-PlatPat」の「商品・役務名検索」を利用しましょう。

【Step2】次に、「商標検索」の欄から、先行商標を調べる

特許庁データベースの「商標」の欄から、「商標検索」をクリックします。

検索項目から「称呼(類似検索)」を選びます。

なお、よくある間違いは、「称呼(類似検索)」ではなく、「商標(検索用)」での検索です。

「商標(検索用)」は、全く同一の商標を調べる際に使用します。

「商標(検索用)」を選択すると、類似の先行商標がヒットしない危険性があります。

【Step3】先行商標と類似するか、検討

検索して、ヒットしたからといって、必ず類似するわけではありません。

調査対象の商標と先行商標が類似するか、検討しましょう。

商標が類似するか、正確に判断するには、専門的な知識や経験が必要になります。

なお、判断方法については、以下の記事で、説明しています。

【商標の類否判断】重要!商標が似ているか、どう判断する?

【Step4】対象の先行商標の現状をチェック

対象商標の登録番号をクリックすると、商標の現状が分かります。

その中には、「存続期間満了日」が記載されています。

念のため、商標登録が存続しているか、確認しましょう。

【Step5】調査したキャラクター名称が商標登録できそうか、結論を出す

最後に、先行商標の検索結果をもとに、キャラクター名称が商標登録できそうか、判断します。

同一もしくは類似する先行商標が存在した場合、商標登録できないだけではなく、商標権侵害のリスクがあります。

できれば、そのようなキャラクター名を採択しないことをお勧めします。

【キャラクターを商標登録する前】キャラクター名称の検索の具体例

具体例を出して、キャラクター名称の検索方法を説明します。

以下のキャラクターの名称、「虎さん」を例にします。

「虎さん」に類似する先行商標がないか、調べます。

【Step1】「商標に関する情報の提供」の類似群コードを調べる

筆者は弁理士で、本サイトでは、商標に関する情報を提供しています。

データベース「J-PlatPat」の「商品・役務名検索」を利用して、類似群コードを調べます。

「商標」「情報」をキーワードにして、検索すると、以下のような検索結果が表示されます。

「商標に関する情報の提供」の類似群コードは、「42R01」だと分かります。

【Step2】「虎さん」と類似しうる先行商標がないか、データベースで検索する

「称呼(類似検索)」の欄に、「トラサン」と入力します。

「類似群コード」の欄に「42R01」(商標に関する情報の提供の類似群コード)を入力します。

「検索」ボタンを押して、検索したところ、以下の通り、検索結果は0件でした。

念のため、「さん」を除いて、「虎」に類似する先行商標がないか、調べましょう。

「称呼(類似検索)」の欄に、「トラ」と入力し、また、「類似群コード」の欄に「42R01」(商標の代理業務の類似群コード)を入力します。

「検索」ボタンを押して、検索したところ、以下の5件の先行商標がヒットしました。

【Step3】先行商標と類似するか、検討する

検索してヒットした先行商標が、キャラクター名称と類似するか、個別に検討していきます。

筆者がチェックした限りでは、商標「虎さん」と、明らかに類似する先行商標は見つかりませんでした。

【Step4】「虎さん」が商標登録できそうか、結論を出す

データベースで検索した限り、商標(法律)情報の提供の分野において、「虎さん」に類似する先行商標は見つかりませんでした。

よって、先行商標の関係においては、「虎さん」は、商標登録できそうです

また、現状、類似する先行商標は存在しないので、「虎さん」を使用しても、問題なさそうです。

キャラクターを商標登録する前の検索の注意点

ほとんどの人が、先行商標を検索したことがありません。

実際、お客様から相談いただくと、検索の方法が間違っていることが多々あります。

キャラクターを商標登録する前に、先行商標を検索する際には、以下の点に注意しましょう。

  • キャラクターが、どのように認識されるか、広い視点で考える
  • 商品・サービスが類似するか、意識する
  • 検索してヒットしても、必ずしも類似するわけではない

注意点については、各々、説明していきます。

キャラクターが、どのように認識されるか、広い視点で考える

キャラクターが、どのように認識するか、つまり、図形等分類をどうするか、特許庁が判断します。

よって、出願人が想定しなかったように、特許庁が、キャラクターを認識する危険性があります

例えば、人気ポケモンのピカチュウです。

商登第4247910号

ネズミなどの齧歯類をモチーフとしたキャラクターですが、ネズミの先行商標を調べただけでは、不十分です。

特許庁では、以下の4つの図形等分類を付与しています。

  • 1.15.3 稲光
  • 3.5.5.02 ビーバー、テン、ミンク、むささび、かわうそ
  • 3.5.7.01 ネズミ、ハツカネズミ
  • 4.5.15 確認できない擬動物化したその他の形態、動物の外観を持つその他の空想上の存在

キャラクターが、どのように認識されるか、広い視点で考えるべきです。

場合によっては、複数の図形等分類で、先行商標を検索しましょう。

商品・サービスが類似するか、意識する

商品・サービスを意識せずに、先行商標を検索している人が多いです。

同一もしくは類似の先行商標があったとしても、商品・サービスが類似しなければ、原則、障害とはなりません。

なお、商標権者が実際に提供している商品・サービスではなく、対象の商標登録の指定商品・役務で判断します。

調査対象の商品・サービスと類似するか、意識しながら、先行商標を調べましょう。

虎さん
虎さん

類似群コードを入力して検索すれば、類似する商品・サービスを指定する先行商標に限定できます!

検索してヒットしても、必ずしも類似するわけではない

データベース「J-PlatPat」で検索すると、多くの先行商標がヒットすることがあります。

しかし、それらの先行商標が、調査対象の図形・名称と類似するとは限りません。

実際、検索すると、多くの先行商標がヒットしても、特許庁の審査において、区別されて、商標登録になることも多々あります。

先行商標がヒットしたら、調査対象の図形・名称と類似するか、各々、検討していく必要があります。

初心者くん
初心者くん

商標が類似するか、判断できない場合、どうしましょう?

虎さん
虎さん

専門的な知識が必要なので、一人で悩まずに、商標専門の弁理士に相談することをお勧めします!

キャラクターを商標登録する前の検索(調査)に掛かる費用

データベース「J-PlatPat」は、無料で利用できます。

キャラクターを商標登録する前に、自分で先行商標をチェックする場合には、お金が掛かりません。

つまり、自力で対応すれば、費用を節約できます。

専門家(商標専門の弁理士)に商標調査を依頼したら、数千円~数万円

自分で検索するのが不安な方も、多いでしょう。

そういった場合、商標専門の弁理士に商標調査を依頼することが考えられます。

専門家に依頼した場合、商標調査の費用は、数千円~数万円です。

ちなみに、筆者(すみや商標知財事務所)の場合、5千円~ですが、商標出願する場合には、実質、無料で対応します。

キャラクターを商標登録する前に検索しても、分からなければ、商標専門の弁理士に相談!

検索しても、先行商標が全くヒットしなければ、キャラクター及びキャラクター名を使用できそうと簡単に判断できます。

しかし、類似するか、判断が難しい先行商標がヒットすることもあります。

商標の類否判断には、専門的な知識と経験が必要です。

商標が類似しないと思い込んで、使用していると、権利者から、商標権侵害で訴えられる危険性があります。

判断が難しい場合には、商標専門の弁理士に相談しましょう。

筆者(すみや商標知財事務所)に相談いただければ、親身になって、一緒に検討します!

弁理士歴12年以上の商標専門の弁理士

まとめ

・同一もしくは類似の先行商標が存在すると、商標権侵害の危険性があります。公開データベース「J-PlatPat」を利用すれば、誰でも、無料で先行商標をチェックできます

・対象の商品・役務の類似群コードを調べたり、キャラクター名の場合は「称呼(類似検索)」を選択したりして、正しい方法で、先行商標を検索しましょう

・キャラクターによっては、複数の図形等分類でチェックすべきです。なお、判断に迷ったら、一人で悩まずに、商標専門の弁理士に相談しましょう

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