【重要】商品・役務(サービス)が類似するか、どうやって判断する?類似群コードの使い方を説明!

まとめ

・商品・役務が類似するかどうか、商標の実務において、極めて重要です

・類似群コードを用いて、商品・役務が類似するか、判断します

・類似群コードが一致する場合には、類似するものと推定し、類似群コードが相違する場合には、類似しないものと推定します

商品・役務の類否判断の重要性

商品・役務が類似するかどうか、商標の実務においては、重要になります

商標出願の際、必ず、願書(申請書)には指定商品・役務を記載します。

その後、特許庁の審査を経て、出願商標が登録になると、その指定商品・役務の範囲において、効力が及びます。

仮に、あなたが、先行の登録商標と同一の商標を出願したとします。

指定商品・役務が類似していれば、先行の商標登録をもとに、あなたの商標出願は拒絶されます。

一方、指定商品・役務が類似しなければ、商標登録を取得できる可能性があります。

それでは、商品・役務が類似するか、どうやって判断するのでしょうか?

虎さん
虎さん

商標の弁理士は、実務の際、商品・役務が類似するか、常に念頭に置いています。商品・役務の類否判断は、商標実務の基本になります!

商標審査基準における商品・役務の類否の判断基準

商標審査基準において、商品・役務の類否の判断基準が示されています。

商品の類否を判断する際に、例えば、次の基準を総合的に考慮する旨、定めています。

  • 生産部門が一致するかどうか
  • 販売部門が一致するかどうか
  • 原材料及び品質が一致するかどうか
  • 用途が一致するかどうか
  • 需要者の範囲が一致するかどうか
  • 完成品と部品との関係にあるかどうか

また、役務の類否を判断する際に、例えば、次の基準を総合的に考慮する旨、定めています。

  • 提供の手段、目的又は場所が一致するかどうか
  • 提供に関連する物品が一致するかどうか
  • 需要者の範囲が一致するかどうか
  • 業種が同じかどうか
  • 当該役務に関する業務や事業者を規制する法律が同じかどうか
  • 同一の事業者が提供するものであるかどうか

しかし、商品・役務が類似するか、逐一、上記の基準に照らして判断していたら、特許庁の審査官も弁理士も大変です。

そこで、実務においては、専ら、次に説明する「類似群コード」を利用して、商品・役務の類否を判断しています

虎さん
虎さん

商標審査基準において、商品・役務の類否判断の基準が示されていますが、商標の実務上、専ら、類似群コードを利用して、判断しています

【商品・役務の類否の判断の重要ポイント】類似群コードの使い方

あらゆる商品・役務には、類似群コードが付されています。

類似群コードが同一である場合には、その商品・役務が類似するものと推定します

特許庁データベースの「商品・役務名検索」で、商品・役務に付されている類似群コードが調べることができます。

例えば、以下の通り、商品「クリップ」には、「25B01」の類似群コードが付されています。

また、商品「絵の具」を調べると、こちらも「25B01」の類似群コードが付されています。

よって、商品「クリップ」と商品「絵の具」は、類似するものと推定されます。

なお、区分が相違する商品・役務でも、類似群コードが一致すれば、その商品・役務は類似します

つまり、区分ではなく、類似群コードで、商品・役務の類否を判断します。

商標実務を行っていると、この点、間違える依頼者が多いので、注意してください。

例えば、第6類の商品「金庫」の類似群は「20A01」です。

また、第20類の商品「ソファー」の類似群も「20A01」です。

よって、商品「金庫」と「ソファー」は、区分が相違しますが、両者は類似関係にあると推定されます。

また、特許庁データベースには、商標出願もしくは商標登録に係る指定商品・役務の類似群コードも掲載しています。

よって、あなたが出願した商標出願の指定商品・役務に、どの類似群コードが付されているか、確認したいとき、特許庁データベースを利用すれば、すぐ分かります。

虎さん
虎さん

商品・役務の区分が相違していても、類似群コードが一致していれば、類似するものと推定されます!

商品・役務の類否判断における注意点

商品・役務が類似するか、判断する場合には、その商品・役務に付された類似群コードを調べてみましょう。

類似群コードが一致する場合には、商品・役務が類似するものと推定されます。

一方、類似群コードが相違する場合には、商品・役務が類似しないものと推定されます。

なお、類似群コードは、あくまでも「推定」規定になります。

ごく稀なケースですが、主張・反論することで、同一の類似群コードでも類似しないと判断されたり、また、類似群コードが相違していても、類似すると判断された事例もあります。

例えば、以下の記事で紹介している「Dual Scan」の判例が参考になります。

類似群「10C01」の「脂肪計付き体重計,体組成計付き体重計,体重計」と類似群「10D01」の「体脂肪測定器,体組成計」が類似すると判断されました。

虎さん
虎さん

類似群コードが一致しているにも関わらず、個別・具体的に検討して、商品・役務が類似しないと判断した裁判例などもあります

商品・役務の類否判断で迷ったら、商標専門の弁理士に相談!

商品・役務の類否判断で迷うことがあるかと思います。

その場合には、商標専門の弁理士に相談しましょう。

筆者(すみや商標知財事務所)にご相談いただければ、親身になって、一緒に検討します。

業界では珍しい「商標専門」の弁理士

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