意匠権が切れても大丈夫?ヤクルト容器に学ぶ、商標登録でデザインを守る戦略

製品のデザインは、見た目の美しさだけでなく、ブランドの個性や顧客の印象を左右する重要な要素です。

しかし、デザインを保護するために活用される意匠権には、最長25年という存続期間の限界があります。

「せっかく苦労して作ったデザインなのに、意匠権が切れたら真似されてしまうのでは?」

そんな不安を抱える事業者の方も多いのではないでしょうか?

実は、意匠権の保護期間が終了した後でも、商標登録を活用することでデザインを長期的に守ることが可能です。

実際に、あの「ヤクルト容器」も商標登録によって長年にわたり保護されている好例の一つです。

商登第5384525号

本記事では、意匠権と商標登録の違いや活用方法を整理した上で、ヤクルト容器の事例を交えながら、デザインを半永久的に保護するための実践的な戦略をご紹介します。

記事の信頼性
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すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています

・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています

商標登録によるデザインの保護を熟知しています

・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です

初回の相談は無料!

【業界では珍しい「商標専門」の弁理士】

知的財産法による製品のデザインの保護

あなたが、斬新なデザインの製品を開発して、そのデザインを保護したいとします。

実際に、弁理士として働いていると、このような相談を受けることがあります。

それでは、知的財産法によって、どのように製品のデザインを保護すべきでしょうか?

製品のデザイン保護の基本は、「意匠権」

知的財産法の中で、真っ先に思い浮かぶのは、意匠です。

意匠法の保護対象は、物品の形状・模様などで、まさにデザインを保護するための制度です。

弁理士すみや
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ただし、すでに公開されたデザインは、新規性がなく、原則、意匠登録できないので、要注意です!

一方、「商標登録」による製品のデザイン保護は?

商標法の保護対象は、商品やサービスに付される目印です。

よって、商標登録は、必ずしも、製品のデザインの保護とは馴染むとは限りません。

意匠権によるデザイン保護の限界(限りある意匠権の存続期間)

商標登録は、更新を繰り返すことで、半永久的に、登録商標を保護でき、商標権を維持できます。

一方、意匠権の存続期間は、意匠登録出願の日から最長25年に限られます

意匠権は、商標権とは異なり、半永久的に、独占できるわけではありません。

意匠権を失うと、意匠法によって、対象の製品のデザインを保護することができなくなります。

つまり、意匠法だけに頼って製品のデザインを保護するには、限界があります。

弁理士すみや
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意匠権の存続期間は限られているので、意匠法による保護には限界があります

商標登録によるデザインの保護

意匠法で保護できなくなった製品のデザインについては、商標法による保護を検討しましょう。

長年、使用した結果、そのデザインを見ただけで、誰の商品か、分かるようになった、つまり、製品のデザインが商品やサービスの目印となった可能性があるからです。

立体商標制度は、デザインの保護に有効

立体商標が商標法の保護対象になり、商標法でも、立体的形状を保護することができます。

実際、以下の立体的形状は、商標登録しています。

なお、立体商標制度については、以下の記事をご参照ください。

これも商標登録になるの?初心者でもわかる商標の種類と具体例

特徴のない製品デザインの弱点と克服方法

ただし、文字や図形などを含まない立体的な形状を商標出願すると、識別力(特徴)を有さないとして、拒絶される可能性が高いです。

そのような拒絶理由が通知された場合、膨大な量の使用証拠を提出して、長年、使用した結果、著名性(識別力)を獲得した旨、反論することが考えられます。

弁理士すみや
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識別力(特徴)がないデザインでも、著名であれば、商標登録になる可能性があります

ヤクルト容器(デザイン)の商標登録による保護の成功例

意匠権の存続期間の経過後に、立体商標の商標登録を取得した成功例が、ヤクルト容器です。

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意匠権を失ったら、ヤクルト容器の類似品が市場に出回る

ヤクルト社は、昭和40年に意匠出願して、ヤクルト容器の意匠権を取得しました。

しかし、意匠権には、存続期間があるので、ヤクルト社は、ヤクルト容器の意匠権を失いました。

意匠権の権利期間が満了すると、他社も、同じ形状の容器で飲料を販売しました。

1回目のヤクルト容器の商標出願は拒絶されて、商標登録できず!

他社の類似品に困ったヤクルト社は、ヤクルト容器の立体商標を商標出願しました。

しかし、商標としての特徴(識別力)がないとして、商標出願が拒絶されました。

裁判(事件番号:平12(行ケ)474)まで争いましたが、結局、立体商標の登録は認められませんでした。

2回目の商標出願は、裁判まで争って、商標登録が認められる!

ヤクルト社は、諦めずに、再び、立体商標の商標出願にチャレンジしました。

2回目も裁判(事件番号:平22(行ケ)10169)まで争い、「長年の使用により、容器の形状だけでも十分な識別力を獲得している」と認められました。

裁判の結果、無事に立体商標の登録を取得できました

これにより、第三者が無断でヤクルト容器のデザインを「乳酸菌飲料」に使用すると、ヤクルト社の商標権侵害になります

弁理士すみや
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ヤクルト社は、苦労しながらも、ヤクルト容器のデザインを知的財産法で保護して、模倣品を排除しています

【戦略】意匠権があるうちに、使用実績を作って、商標登録にチャレンジ!

商標としての特徴(識別力)がないデザインだと、原則、商標登録できません。

しかし、商標登録できれば、極めて強い権利で、かつ、半永久的に保護できます。

ヤクルト容器のように、使用実績を作れば、例外的に、商標登録できる可能性があります。

そのため、意匠権があるうちに、使用実績を作って、商標登録にチャレンジしましょう!

デザイン保護のため、不正競争防止法も活用(意匠権を失ってから、商標登録できるまで)

意匠権が存続期間満了してから、スムーズに立体商標の登録が取得できない可能性があります。

現に、ヤクルト容器の事例も、立体商標を取得するまで、かなり苦労していて、時間が掛かっています。

ある程度、有名になった製品のデザインであれば、意匠権を失ってから、商標登録を取得するまで、不正競争防止法が活用できるかもしれません。

著名であったり、需要者の間に広く認識されていることが要件(条件)ですが、不正競争防止法は、2条1項1号及び2号で、商品等表示に関する不正競争行為を禁じています。

意匠権を失い、商標登録を取得するまでの間に、模倣品が出回った場合、不正競争防止法が活用できないか、検討しましょう。

弁理士すみや
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意匠法・商標法・不正競争防止法などを活用して、戦略的に製品のデザインを保護しましょう

【まとめ】「25年で終わり」にするか、商標登録で「永遠の資産」にするか。

本記事のまとめ

・知的財産法によるデザインの保護について、まずは、意匠法で保護できないか、検討しましょう

・意匠権には存続期間があるので、存続期間が満了したら、立体商標によるデザインの保護が考えられます

・立体商標の登録の取得前に、模倣品が出回った場合、不正競争防止法が活用できないか、検討しましょう

意匠権には期限がありますが、商標権(立体商標)は更新し続ければ、そのデザインは半永久的にあなたの独占資産になります。

しかし、立体商標の登録のハードルは極めて高く、緻密な証拠収集と論理構成が不可欠です。

「大手事務所で培った『勝てる立体商標』のノウハウを、あなたの看板商品に」

私は独立前、日本を代表する大手特許事務所で、意匠権と商標権の複合的な保護戦略も担当してきました。

その高度なテクニックを、今は代表弁理士として直接あなたに、伝授します。

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