様々な企業や個人が、自分のロゴを作成して、ビジネスに使用しています。
一方、ロゴではなく、文字で商標登録するも可能です。
- SONY(商登第4988737号)
- 呪術廻戦(商登第6511197号)
- ポケモン(商登第5103633号)
お客様から、「ロゴと文字、どっちで商標登録すべきか?」、頻繁に質問を受けます。
この記事を読めば、文字とロゴ、どっちで商標登録すべきか、分かります。
また、文字とロゴ、どっちも商標登録している事例も教えます。
文字とロゴの商標登録の関係
まずは、商標登録の効力から、文字とロゴの商標登録の関係について、説明します。
登録商標に類似する範囲まで、効力が及ぶ
商標登録を取得すれば、登録商標に類似する範囲まで、効力が及びます。
例えば、同一の事業分野において、他人が、登録商標に類似する商標を使用した場合、商標権の侵害に該当します。
また、他人が、同一の事業分野で、登録商標に類似する商標を出願した場合、商標出願が拒絶されます。
ロゴの商標登録の類似範囲で、文字の商標をカバーできる可能性あり
ロゴと文字が、類似関係にあることも多々あります。
つまり、ロゴの商標登録の類似範囲で、文字商標をカバーできる可能性があります。
例えば、世界最大級のテクノロジー企業のDell(デル)社のロゴです。
この「DELL」のロゴは、「DELL」の文字と類似します。
つまり、ロゴの商標登録で、他人の「DELL」の文字の使用行為や「DELL」の文字の商標出願を排除できるでしょう。
ロゴと文字は、必ず、類似しますか?
必ず、類似するわけではありません!判断に迷ったら、商標の専門家(弁理士)に相談しましょう
費用を節約するため、文字かロゴのみ、商標登録することが多い
商標登録に掛かる費用は、安くはありません。
ロゴの商標登録に掛かる費用は、以下の記事で、紹介しています。
【ロゴの商標登録の費用】概算、相場や節約方法を紹介!文字とロゴ、両方とも、商標登録する場合には、2件分の費用が掛かります。
そのため、文字とロゴが類似関係にあれば、どちらか一方を商標登録することが多く、費用を節約できます。
文字ではなく、ロゴでの商標登録が有効な3つのケース
ロゴと文字、どっちで商標登録しようか、多くの人が悩みます。
例えば、以下のようなケースだと、文字ではなく、ロゴで商標登録するのが、有効です。
- 文字ではなく、ロゴをメインに使用する場合
- ロゴを変更する予定がない場合
- 地名や数字などを商標登録する場合
実際に使用する態様で、商標出願するよう、筆者は勧めています。
消費者が最も着目する態様で、商標登録すべきだからです。
文字ではなく、ロゴをメインに使用している場合、ロゴでの商標登録の取得が考えられます。
不使用取消審判という制度があり、3年以上、登録商標を使用していないと、商標登録が取り消される危険性があります。
なお、不使用取消審判については、以下の記事で、詳細に紹介しています。
使用していない商標登録を取り消せる!?不使用取消審判を、分かりやすく紹介!商標登録したロゴを変更した場合、登録商標を使用していないとして、不使用取消審判により、商標登録が取り消される危険性があります。
そのため、将来的に、ロゴを変更する予定がなければ、不使用取消審判のリスクがないので、ロゴでの商標登録をお勧めできます。
商標としての特徴(専門的に言うと、「識別力」)がない商標は、原則、商標登録できません。
たとえば、以下のような商標は、原則、商標登録できません。
- 「AB」などのアルファベット2文字
- 「東京」などの地名
- 「フランス」などの外国の国名
- 「鈴木」などのありふれた苗字
- 「777」などの数字
このような商標は、他人の商品・サービスと区別できないからです。
商標としての特徴性(識別力)を有さない場合、商標をロゴ化することで、このような拒絶理由を回避できます。
文字ではなく、ロゴで商標登録している例
文字ではなく、ロゴで商標登録している例も、多数、あります。
参考までに、ロゴで商標登録している事例をいくつか紹介していきます。
人気漫画・アニメ「僕のヒーローアカデミア」の商標登録
例えば、週刊少年ジャンプで連載していて、アニメ化もされている人気作品の「僕のヒーローアカデミア」です。
集英社は、文字で商標登録を取得せずに、以下のロゴで商標登録しています。
漫画の表紙やアニメのタイトル画面なで、多数の場面で、ロゴが使用されています。
また、漫画の連載が始まった後、このようなロゴが変更されることは、ほとんどありません。
よって、文字ではなく、ロゴでの商標登録が有効です。
人気ゲーム「マリオカート8 デラックス」の商標登録
「マリオカート」は、世界中で大人気のアクションレースゲームです。
2017年に発売された「マリオカート8 デラックス」は、全世界で、6000万本以上を売り上げ、大ヒットしました。
任天堂は、文字ではなく、以下のロゴで商標登録しています。
CMなどで、多くの消費者が、このロゴを目にし、また、ゲームを発売してから、ロゴ変更することはありません。
よって、文字ではなく、ロゴで商標登録するのは、理にかなっています。
「すみだ水族館」の商標登録
すみだ水族館は、東京スカイツリータウンの東京ソラマチ内にあります。
すみだ水族館は、文字ではなく、以下のロゴを商標登録しています。
仮に、「すみだ水族館」の文字で、商標出願した場合、「東京都墨田区にある水族館」を意味しているに過ぎず、商標出願が拒絶される危険性があります。
そのため、ロゴの方が、商標登録になる可能性が高いので、ロゴでの商標登録が有効です。
自販機用のアイスクリーム「セブンティーンアイス」の商標登録
セブンティーンアイスは、江崎グリコが1983年に販売を開始した自動販売機用のアイスクリームです。
江崎グリコは、数字の「17」をモチーフにした、以下のロゴを商標登録しています。
なお、数字の「17」だと、商標としての特徴(識別力)がなく、原則、商標登録できません。
そのため、「17」をモチーフにしたロゴで、商標登録するのが、有効です。
なお、地名やアルファベット2文字の場合も、原則、商標登録できないため、以下のように、ロゴ化して、商標登録することが多いです。
- (商登第6362133号)
- (商登第5259014号)
- (商登第3032279号)
- (商登第5059561号)
ロゴではなく、文字での商標登録が有効なケース
一方、ロゴではなく、文字での商標登録が有効な場合もあります。
例えば、以下のようなケースであれば、ロゴではなく、文字で商標登録すべきです。
- 将来的に、ロゴを変更する可能性がある
- ロゴをほとんど使用しない
- 一貫性のない様々なロゴを使用している
ロゴで商標登録して、ロゴ変更してしまうと、登録商標の使用に該当せず、不使用取消審判で、商標登録が取り消される危険性があります。
そのため、将来的に、ロゴを変更する可能性があれば、文字での商標登録が考えられます。
基本的には、頻繁に使用する態様で、商標登録することをお勧めしています。
そのため、ロゴをほとんど使用しない場合には、文字での商標登録の方がいいでしょう。
様々なロゴを使用していて、それらのロゴに一貫性がない場合、消費者の印象が分散します。
いずれのロゴも、消費者の印象に残らない可能性があります。
そのため、一貫性のない様々なロゴを使用している場合、文字で商標登録することが考えられます。
予算に余裕があれば、文字とロゴ、どちらも商標登録することも
コストを掛けてでも、文字とロゴ、どちらも商標登録することもあります。
例えば、特徴のあるロゴの場合、文字の商標登録の類似範囲で、ロゴをカバーできない可能性があります。
そのような場合、念のため、文字とロゴ、両方とも商標登録するのも有効です。
また、会社のシンボルマークなど、重要な商標の場合、多額の予算を掛けられることがあります。
そのようなケースでは、文字とロゴ、両方とも商標登録して、厚く保護することもあります。
文字だけでなく、ロゴでも商標登録している例
実際、会社にとって、重要なロゴの場合、ロゴでも、文字でも商標登録していることが多いです。
例えば、以下の文字とロゴの商標登録です。
- 「」(商登第106633号)と「COCA-COLA」(商登第6179694号)
- 「」(商登第5893980号)と「GOOGLE」(商登第4478963号)
- 「」(商登第5455739号)と「週刊少年ジャンプ」(商登第5905931号)
- 「」(商登第5702479号)と「INSTAGRAM」(商登第6267823号)
まずは、文字かロゴ、どちらか一方のみ、商標登録して、その後、事業が軌道に乗れば、追加で商標登録することも考えられます。
文字かロゴ、どちらか一方、商標登録すれば、将来、もう一方を商標出願した場合、商標登録になる可能性は高いです
ロゴと文字、どっちで商標登録すべきか、分からなければ、商標専門の弁理士に相談!
ロゴと文字、どっちで商標登録すべきか、もしくは、どちらも商標登録すべきか、判断に迷うことがあるでしょう。
商標登録に掛かる費用は安くはないので、お金を無駄にしないためにも、的確に判断すべきです。
判断に迷ったら、できれば、商標専門の弁理士に相談しましょう。
なお、筆者(すみや商標知財事務所)にご連絡いただければ、親身になって、一緒に検討します。
業界では珍しい「商標専門」の弁理士
・登録商標と類似する範囲まで、商標権の効力が及びます。そのため、文字とロゴが類似関係にあれば、どちらか一方のみを商標登録することが多いです
・文字ではなく、ロゴをメインに使用する場合、ロゴを変更する予定がない場合などは、ロゴで商標登録することが考えられます
・一方、将来的にロゴ変更の可能性があれば、文字での商標登録が考えられます。なお、重要な商標の場合、コストを掛けて、ロゴと文字、両方で商標登録することもあります