「会社名を商標登録したいけど、どの“区分”で登録すればいいの?」
このようなご相談をよくいただきます。実は、会社名の商標登録では区分の選び方がとても重要です。
事業の内容によって適切な区分は異なり、間違えると商標登録の効果が不十分になる危険性があります。
この記事では、業種別の区分の選び方や、登録時の注意点を、弁理士の視点からわかりやすく解説します。
初めての方にも安心して読んでいただける内容ですので、ぜひ参考にしてください。

・すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています
・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています
・会社名の商標登録も、多数、お手伝いしました
・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です
区分とは、商品・サービスのカテゴリー
商標登録の願書には、区分を記載する必要がありますが、そもそも区分とは何でしょうか?
簡単にいえば、区分は、商品・役務(サービス)の属するカテゴリーです。
区分は、1類~45類で、全部で45個に分かれています。

1類~34類は商品の区分で、35類~45類は役務(サービス)の区分です
各区分の商品・サービスをざっくりと紹介すると、以下のリストの通りです。
| 1類 | 化学品 | 16類 | 紙、紙製品、事務用品 | 31類 | 生きている動植物 |
| 2類 | 塗料、着色料 | 17類 | 電気絶縁用などの材料 | 32類 | アルコールを含有しない飲料、ビール |
| 3類 | 洗浄剤、化粧品 | 18類 | 革、旅行用品、馬具 | 33類 | ビールを除くアルコール飲料 |
| 4類 | 工業用油、工業用油脂、燃料、光剤 | 19類 | 金属製でない建築材料 | 34類 | たばこ、喫煙用具、マッチ |
| 5類 | 薬剤 | 20類 | 家具 | 35類 | 広告、事業の管理、小売・卸売 |
| 6類 | 卑金属、その製品 | 21類 | 家庭用品、化粧用具、ガラス製品 | 36類 | 金融、保険、不動産の取引 |
| 7類 | 加工機械 | 22類 | ロープ製品、織物用の原料繊維 | 37類 | 建設、設置工事、修理 |
| 8類 | 手動工具 | 23類 | 織物用の糸 | 38類 | 電気通信 |
| 9類 | 科学用、電気制御用などの機械器具 | 24類 | 織物、家庭用の織物製カバー | 39類 | 輸送、旅行の手配 |
| 10類 | 医療用機械器具、医療用品 | 25類 | 被服、履物 | 40類 | 物品の加工その他の処理 |
| 11類 | 照明用、加熱用などの装置 | 26類 | 裁縫用品 | 41類 | 教育、娯楽、スポーツ、文化活動 |
| 12類 | 乗物その他移動用の装置 | 27類 | 床敷物、織物製でない壁掛け | 42類 | コンピューター、ソフトウェアの開発 |
| 13類 | 火器、火工品 | 28類 | 玩具、遊戯用具、運動用具 | 43類 | 飲食物の提供、宿泊施設の提供 |
| 14類 | 貴金属、宝飾品、時計 | 29類 | 動物性の食品、加工食品 | 44類 | 医療、美容、農業のサービス |
| 15類 | 楽器 | 30類 | 植物性の加工食品、調味料 | 45類 | 冠婚葬祭、警備、法律のサービス |
区分は、1類~45類の計45個あり、事業内容に応じて、商標登録する区分を決定します。

お客様に商標出願のご依頼を頂いたら、入念にヒアリングして、十分に検討・相談した上で、商標登録する区分を決めています!
「会社名」という商標登録の区分は存在しない!
区分は、商品・サービスのカテゴリーで、商標登録する区分の数によって、費用が変動します。
「会社名」というような区分はありません。
よって、「その商標(会社名)をどのような商品・サービスに使うか」に基づいて区分を決めます。
会社名の場合、基本的には「その会社で取り扱う全ての商品・サービス」について使う可能性があります。
よって、会社で取り扱う商品・サービスを網羅的に商標登録するのが基本です。
サービスを提供している場合、35類~45類で会社名を商標登録
35類~45類が、サービスに関する区分です。
何らかのサービスを提供しているのは、これらの区分から選びましょう。
いくつか、具体例を出しながら、商標登録すべき区分を説明します。
飲食業を営む会社の名称の商標登録の区分(43類)
「飲食物の提供」などが属する43類で、商標登録すべきです。
例えば、以下の通り、飲食業を営む会社が、43類で、自分の会社名を商標登録しています。
- 松屋フーズホールディングス(商登第6170735号)
(商登第4836447号)
なお、松屋フーズホールディングスは、牛丼チェーンの松屋などを運営しています。

また、コロワイドは、焼肉チェーンの牛角などを運営しています。

クリーニング業を営む会社の名称の商標登録の区分(37類)
「洗濯」や「被服のプレス」が属する37類で、商標登録すべきです。
例えば、「ホワイト急便」の運営会社は、自社の社名「日本さわやかグル-プ」(商登第3043977号)を、37類で商標登録しています。

美容院を営む会社の名称の商標登録の区分(44類)
「散髪」、「頭髪の染毛」や「美容」が属する44類で、商標登録すべきです。
例えば、美容サロンを運営している「株式会社Neolive」は、44類で、「
」(商登第4652584号)を商標登録しています。

ホテル業を営む会社の名称の商標登録の区分(43類)
「宿泊施設の提供」が属する43類で、商標登録すべきです。
例えば、リゾートホテルなどを運営している「株式会社星野リゾート」は、43類で、「星野リゾート」(商登第5760347号)を商標登録しています。

商品を販売している場合、1類~34類で会社名を商標登録
1類~34類が、商品に関する区分です。
会社が自社の商品を販売している場合には、これらの区分から選びましょう。
自動車メーカーの会社名の商標登録の区分(12類)
例えば、自動車メーカーの場合、「自動車」が属する12類で商標登録すべきです。
実際、大手自動車メーカーのトヨタ自動車は、12類で、「
」(商登第2666249号)を商標登録しています。

アパレル会社の会社名の商標登録の区分(25類など)
ファッション関連アイテムには様々なものがあり、その性質や用途、素材によって、複数の区分に分かれます。
その中でも、アパレル業では、被服、履物、帽子などが含まれる「25類」が、メインの区分です。
その他に、例えば、以下の区分(特に18類)もカバーすることが考えられます。
- 26類(頭飾品 など)
- 3類(香水 など)
- 9類(サングラス、眼鏡 など)
- 14類(時計、身飾品 など)
- 18類(バッグ など)
- 24類(ハンカチ、タオル など)
小売業・卸売業を営んでいる場合、35類で会社名を商標登録
あらゆる商品の小売業・卸売業が、35類に該当します。
よって、他者の商品を販売している場合、35類での商標登録すべきです。
例えば、以下のような場合、35類で、商標登録することが考えられます。
- スーパーやコンビニ
- 家電量販店
- セレクトショップ
- 他社製品を取り扱うオンラインショップ
なお、35類の小売等役務については、以下の記事で詳しく紹介しています。
スーパーやコンビニの運営会社名の商標登録の区分(35類)
スーパーやコンビニなどの運営会社の名称であれば、35類で商標登録します。
実際、以下のようなスーパーの会社名は、35類で商標登録しています。
- ライフコーポレーション(商登第5796233号)
- まいばすけっと(商登第5168772号)
なお、ライフコーポレーションは、スーパー「LIFE」を運営しています。

家電量販店の運営会社名の商標登録の区分(35類)
家電量販店も、基本的には、自社製品を販売せず、他社の家電などを取り扱っています。
そのため、家電量販店の運営会社の名称であれば、35類で商標登録します。
実際、以下のような家電量販店の会社名は、35類でも商標登録しています。
- ヨドバシカメラ(商登第5221117号)
- ビックカメラ(商登第5283329号)
(商登第5140704号)
なお、上新電機は、家電量販店「Joshin」を運営しています。

セレクトショップの運営会社名の商標登録の区分(35類)
セレクトショップでは、厳選した他社の商品を取り扱っています。
例えば、シップス、ビームス、ユナイテッドアローズなどです。
そのため、セレクトショップの会社名の場合、35類で商標登録すべきです。
他社製品を取り扱うオンラインショップの商標登録の区分(35類)
Amazonや楽天市場のように、他社製品を取り扱うオンラインショップは、多数、存在します。
オンラインによる小売業も、35類に含まれるので、オンラインショップの運営会社の場合も、35類で商標登録すべきです。
例えば、総合ショッピングモール「楽天市場」を運営している楽天グループ株式会社です。

楽天グループ株式会社は、35類などで、商標「楽天グループ」(商登第6521976号)を登録しています。
会社名の商標登録での区分選びの2つの注意点
会社名の商標登録をお手伝いすると、お客様が間違えやすい点があります。
以下、特に間違えやすい点を、2つ紹介します。
- 商品とサービスの区分、どちらもカバーすることもある
- 看板やチラシに店名を書く場合でも、「看板」や「印刷物」をカバーする必要なし
商品とサービスの区分、どちらもカバーする必要があることもあります。
例えば、マクドナルドなど、テイクアウトも行う飲食店の場合です。
店内で飲食できるので、サービスの区分の43類(「飲食物の提供」など)で商標登録すべきです。
一方、テイクアウトして、店外で飲食することもできます。
商品の販売にも該当するので、商品の区分の30類(ハンバーガー)などでも商標登録すべきです。

1件の商標登録で、複数の区分をカバーできるんですね

1件の商標登録で、複数の区分をカバーできます。
ただし、区分数が増えれば、その分、商標登録に掛かる費用も増加します
商品とサービスの区分、どちらも商標登録している例
例えば、大手ハンバーガーチェーンのモスバーガーです。

モスバーガーは、店内での飲食の他に、テイクアウトで商品を販売しています。
そのため、以下の通り、「モスバーガー」の商標登録(商登第5408139号)は、サービスの区分の43類の他に、30類などの商品の区分もカバーしています。
- 29類(フライドポテト など)
- 30類(ハンバーガー など)
- 32類(バニラシェーク など)
- 43類(飲食物の提供 など)
名刺や会社案内に会社名を記載します。

その場合、商品「印刷物」を商標登録でカバーすべきでしょうか?
答えは、商標登録でカバーする必要がありません。
「名刺」や「会社案内」を販売しているわけではなく、ビジネスのために使用しているに過ぎないからです。

実際、多くのお客様が勘違いする点なので、要注意です!
【注意】会社名の商標登録の区分の数が増えれば、費用も増加
会社名の商標登録の区分の数を増やす程、様々な商品・サービスをカバーできます。
しかし、区分の数が増える程、会社名の商標登録の費用が増額するので、注意です。
会社名の商標登録の費用は、区分の数で決まる!
商標登録の願書を特許庁に提出する際に、併せて、特許庁に費用(印紙代)を支払う必要があります。
つまり、出願時に掛かる印紙代は、「12,000円(1区分目)+8,600円×追加の区分数」です。
また、登録時にも、特許庁に支払う印紙代が掛かります。
なお、登録料の納付方法は、10年分一括と5年分分割を選ぶことができ、印紙代は、各々、以下の通りです。
10年分一括(10年分の費用):32,900円×区分数
5年分分割(5年分の費用):17,200円×区分数

弁理士に依頼した場合、弁理士の手数料も、原則、商標登録する区分の数で変動します!
なお、会社名の商標登録に掛かる費用について、以下の記事で、詳しく紹介しています。
費用対効果を意識すべき!
区分を1つ増やすだけで、商標登録に掛かる費用が、数万円、増加します。
特に、設立したばかりの会社で、予算が限られている場合、商標登録の費用を抑えることが重要です。

場合によっては、商標登録する区分の数を制限して、コスパ良く商標登録を取得しましょう。
例えば、販売可能性の低い商品の区分については、商標登録を見送れば、コストを抑えられます。

商標登録を見送った商品の区分についても、追加で商標出願すれば、保護することができます!
【実録】5,140万円の賠償金とブランド剥奪。区分の選定ミスが招いた「モンシュシュ事件」の悲劇!
あなたは「商標登録さえ済ませれば、自分のブランドは一生守られる」と思い込んでいませんか?
もしそうなら、今すぐその認識を改める必要があります。
かつて、ある超有名洋菓子店が、国から認められた商標登録を持っていたにもかかわらず、5,000万円以上の損害賠償とブランド名の変更を命じられるという、悪夢のような事件が起きました。
それが「モンシュシュ事件(現:モンシェール)」です。

なぜ、正当な「商標登録」を持っていたはずの会社が、これほどまでの惨劇に見舞われたのでしょうか?
悲劇の引き金となったのは、出願時の「区分の選定ミス」です。
この会社は、弁理士を介さず自社で出願を行い、店舗でのサービスを想定して「第43類(飲食業)」で商標登録していました。
しかし、実際に問題となったのは、他社が先に持っていた「第30類(菓子)」の権利でした。
「店でケーキを売るのだから、飲食業の区分でいいだろう」
そんな素人判断による「自社出願」が、ビジネスの命取りになったのです。
裁判所の下した判決は無情でした。
「登録があっても、区分が違えば権利は守られない」
結果、全国に知れ渡ったブランド名(会社名)は使用禁止。看板もパッケージもすべて作り直し。そして、5,140万円の巨額の賠償。

これが、専門家の眼を介さずに「とりあえず登録」を済ませてしまった代償です。

私も、過去に、区分を間違えて出願寸前だった方を救ったことがあります!
あなたのブランドを「第2のモンシュシュ」にしないために
多くの社長が、商標登録さえすれば安心だと思い込んでいます。
しかし、モンシュシュのように「名前は合っているが、区分がズレている」という地雷は、専門家の戦略眼でなければ絶対に見抜くことはできません。

今、この瞬間も、あなたのブランドは無防備なまま、他社が仕掛けた5,000万円の地雷原を歩いているかもしれないのです。
「弁理士に頼むと高いから、まずは自分でやってみよう」
そのお気持ちは痛いほどわかります。私も独立した一人の経営者として、コストを抑えたい切実な思いは同じです。
しかし、数万円の経費を惜しんだ結果、5,000万円の賠償金を背負い、心血注いで育てた名前まで奪われる。

そんな、経営者として、もっとも悔しい結末を、あなたには絶対に迎えてほしくないのです。
私は、単なる書類の「代筆屋」ではなく、商標登録のプロフェッショナルです。
私は、あなたの今のビジネスだけでなく、「数年後、どこまで事業を広げるか」を逆算して、漏れのない区分を選定します。
私には、「受任するからには、確実に登録まで導く責任がある」という強い自負があります。

ただ、お客様に言われた通りに商標出願するだけではありません。
徹底的に商標調査した上で、登録された後に「負けない権利」を構築します。
「自分の区分は、本当に今のビジネスに合っているのか?」
「数年後に訴えられるリスクはないか?」
そんな不安で夜も眠れない社長のために、大手特許事務所で数多くの修羅場を見てきた私が、あなたのブランドに潜む「死角」を徹底的にお調べします。

裁判所からの通知が届いてからでは、私でもあなたを救うことはできません。
5,000万円の地雷を事前に撤去し、一生の安心を手に入れたい方は、今すぐ以下のフォームから現在の状況を教えてください。
私が責任を持って、あなたのビジネスの「盾」になります。
【まとめ】法務局への「登記」だけでは、会社名は守れません!
・何らかのサービスを提供している場合、35類~45類から選びます。商品を販売している場合、1類~34類から選びます。また、小売業などは、35類です
・商品とサービスの区分、どちらもカバーすることもあります。また、名刺や会社案内に会社名を書く場合でも、商標登録で、「印刷物」をカバーする必要はありません
・商標登録する区分の数が増える程、商標登録の費用が増額します。予算を考慮した上で、コスパ良く、店名を商標登録しましょう
意外と知られていないのが、「商号(会社名)の登記」と「商標登録」は別物だということです。
登記が通っても、他社に同じ名前で商標登録を取られていれば、あなたの会社名が「商標権侵害」で訴えられるリスクがあります。
看板を下ろさざるを得なくなる前に、プロの視点で「守りの要(かなめ)」を固めませんか?
「大手事務所で数々の企業ブランドを死守してきた戦略眼を、貴社の土台作りに」
私は大手特許事務所時代、設立間もないスタートアップから老舗企業まで、会社名の保護に関するトラブル解決と戦略立案を数多く手がけてきました。

24時間・即レス対応: 「来週、会社を登記する」……そのスピード感に合わせ、週末でも私が即座に検討・対応します。
代表弁理士が直接コンサル: 登記情報や事業計画を伺い、会社名として最低限押さえるべき区分と、将来を見据えた推奨区分を明確に提示します。
事務所HPからもご相談いただけますが、以下のフォームからも簡単にお問い合わせいただけます。

