多くの会社にとって、会社名は、極めて重要です。
そのため、会社名を商標登録する企業が多いです。
筆者は、10年以上、商標専門の弁理士として働いていて、会社名の商標登録をお手伝いしたことが、多数あります!
その中には、自分で会社名を商標登録した人もいます。
この記事を読めば、自分で会社名を商標登録するメリットや注意点が分かります。
また、自分で会社名を商標登録するのが難しい場合の対処法を教えます。
自分でも会社名を商標登録できる!
会社名などの重要な商標の場合、弁理士などの専門家に依頼することが多いです。
しかし、専門家に頼らず、自分で会社名を商標登録することもできます。
実際、特許庁の統計データによると、2022年の商標出願のうち、約26%が、本人出願です。
なお、会社名を商標登録するには、商標登録の願書を特許庁に提出します。
知的財産・支援ポータルサイトにおいて、願書の様式をダウンロードできます。
また、会社名の商標登録のやり方については、以下の記事で紹介しています。
【会社名の商標登録のやり方】分かりやすく解説!自分で会社名を商標登録するメリットは、「費用」
商標登録に掛かる費用は、安くはありません。
さらに、専門家に依頼すると、より高額になり、数十万円、掛かることもあります。
専門家に頼らず、個人で商標登録する最大のメリットは、費用を抑えられる点です。
自分で会社名を商標登録すれば、特許庁に支払う費用だけで済む
自分で会社名を商標登録する場合には、特許庁に支払う費用(印紙代)だけで済みます。
なお、特許庁に支払う費用は、商標登録する区分の数によって、決まります。
出願時
商標登録の願書を特許庁に提出する際に、併せて、特許庁に費用(印紙代)を支払う必要があります。
1区分目が12,000円で、2区分目からは、追加する区分あたり、8,600円、掛かります。
つまり、出願時に掛かる費用は、「12,000円(1区分目)+8,600円×追加の区分数」です。
登録時
登録時にも、特許庁に支払う印紙代が掛かります。
なお、登録料の納付方法は、10年分一括と5年分分割を選ぶことができ、印紙代は、各々、以下の通りです。
10年分一括(10年分の費用):32,900円×区分数
5年分分割(5年分の費用):17,200円×区分数
弁理士に依頼した場合に掛かる手数料(筆者の事務所の場合)
弁理士に依頼した場合には、弁理士に支払う手数料が発生します。
つまり、個人で商標登録すれば、弁理士に支払う手数料が節約できます。
手数料は、特許事務所によって、異なりますが、参考まで、筆者(すみや商標知財事務所)の場合は、以下の通りです。
出願時:50,000円(1区分目)+30,000円×追加の区分数
登録時:30,000円(区分数に関係なく)
特許庁に支払う印紙代を含めた、商標登録に掛かる費用は、以下の通りです。
私の事務所では、1区分の場合、商標登録までに8万円(税抜)の手数料が掛かりますが、業界の水準と比較すると、決して高くはありません
自分で会社名を商標登録する場合の3つの注意点
自分で会社名を商標登録すれば、費用が抑えられる一方で、弁理士などの専門家に頼ることができません。
自分で会社名を商標登録する場合の注意点は、以下の3つです。
- 適切な内容での商標登録の願書の作成
- 特許庁からの通知に対して、期限内に適切に対応
- 商標登録後の更新期限の管理
調べれば、初心者でも、商標登録の願書を作成することはできます。
しかし、適切な内容で願書を作成するためには、経験や知識が必要です。
商標登録の願書で、権利範囲が決まります。
願書の内容が不適切だと、会社名をきちんと保護できない危険性があります。
専門家から見ると、ちゃんと商標を保護できているか、疑義がある商標登録は多々あります
特許庁から登録査定が届いたら、30日以内に、登録料を特許庁に支払う必要があります。
また、特許庁から拒絶理由通知書が届いたら、40日以内に、応答する必要があります。
期限内に、適切に対応しないと、商標出願が拒絶され、商標登録できないので、注意です。
商標登録になったら、それで終わりではありません。
商標登録の存続期間は、登録日から10年間で、更新手続きしないと、商標登録が失効します。
きちんと、自分で商標登録の更新期限を管理する必要があります。
自分で会社名を商標登録するのが大変なら、専門家に依頼しよう!
費用を節約できるものの、自分で会社名を商標登録するには、時間や労力が掛かります。
時間や労力を節約したくて、かつ、適切に自分の会社名を保護したい人は、専門家(弁理士)に依頼しましょう。
自分で商標出願して、審査の対応が難しければ、途中から弁理士に頼ってもOK
自分で商標出願にチャレンジしたものの、特許庁から拒絶理由通知書が届き、困ってしまうことが多々あります。
そのような場合、途中から、弁理士に頼ってもOKです。
実際、筆者も、拒絶理由通知書の対応から、お手伝いしたことは多々あります
弁理士の中でも、商標専門の弁理士への依頼がオススメ
弁理士でも、各々、専門の得意としている分野があります。
実際、特許専門の弁理士が、片手間で、商標業務を扱っていることもあります。
以下の記事で詳しく紹介していますが、できれば、商標専門の弁理士に依頼しましょう。
商標登録を誰に頼む?商標専門の弁理士に依頼しましょう!なお、筆者(すみや商標知財事務所)は、12年以上の弁理士歴がある商標専門の弁理士です。
商標業務でお手伝いできることがあれば、ご相談ください。
弁理士歴12年以上の商標専門の弁理士
会社名の商標登録で分からなければ、商標専門の弁理士に相談!
自分で会社名を商標登録しようとしたら、分からないことも出てくるでしょう。
分からないことがあれば、商標専門の弁理士に相談しましょう。
筆者(すみや商標知財事務所)にご相談いただければ、親身になって、一緒に検討します!
業界では珍しい「商標専門」の弁理士
・専門家に頼らず、自分で会社名を商標登録することもできます。自分で商標登録する最大のメリットは、費用を抑えられることです
・一方、適切な商標登録の願書の作成、特許庁からの書面の対応など、自分で商標登録する難しさもあります
・自分で商標登録するのが難しければ、できれば、商標専門の弁理士に依頼しましょう。また、自分で商標出願して、審査の対応が難しければ、途中から弁理士に頼ってもOKです