キャラクターはポーズごとに商標登録が必要?弁理士が実務上の考え方を解説

「キャラクターはポーズごとに商標登録する必要がありますか?」という質問をよくいただきます。

例えば、正面を向いたポーズ、走っているポーズ、座っているポーズ、笑顔や泣き顔など、キャラクターには様々なバリエーションがあります。

そのため、「すべて商標登録しないと十分な保護を受けられないのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。

結論から申し上げると、多くの場合、キャラクターのメインとなるポーズを商標登録すれば十分なケースが多いと考えています。

私自身、これまで個人クリエイター、歯科医院、住宅メーカーなど、様々なお客様のキャラクター商標登録をお手伝いしてきました。

その経験上、「すべてのポーズを商標登録しなければならない」というケースは多くありません。

もっとも、これは「どのようなポーズでも1件の商標登録で足りる」という意味ではなく、別のポーズについても商標登録を検討した方がよいケースもあります。

そこで今回は、キャラクターはポーズごとに商標登録する必要があるのかについて、実務経験を踏まえながら分かりやすく解説します。

記事の信頼性
記事の信頼性

すみや商標知財事務所の代表弁理士(登録番号18043)が執筆しています

・商標専門の弁理士として、13年以上、働いています

キャラクターの商標登録も、多数、お手伝いしました

・初心者向けに分かりやすく説明するのが、得意です

初心者にも、分かりやすく、かつ、丁寧!

【経験豊富な弁理士が商標登録まで直接担当】

キャラクターはポーズごとに商標登録する必要がある?

初心者くん
初心者くん

キャラクターは、ポーズごとに商標登録する必要がありますよね?

弁理士すみや
弁理士すみや

全てのポーズを商標登録すると、かなり高額になり、現実的ではありません。

そのため、メインのポーズのみ、商標登録することが多いです!

【結論】基本的にはメインのポーズを商標登録すれば十分

結論から申し上げると、キャラクターはすべてのポーズを商標登録する必要はありません。

キャラクター商標についてご相談をいただくと、「様々なポーズ、それぞれ商標登録した方がよいですか?」というご質問をよくいただきます。

しかし、実務では、会社のホームページや商品パッケージ、パンフレットなどで最も使用するメインとなるポーズだけ、商標登録を行うケースが多く見られます。

商標登録は1件ごとに出願費用や登録後の維持費用が発生します。

そのため、事業を始めたばかりの段階では、キャラクターのメインポーズを優先して商標登録し、その後の事業展開に応じて追加の商標登録を検討する方法が、コストとブランド戦略の両面から合理的です。

有名キャラクターでも、代表的なポーズしか商標登録していない

例えば、くまモンのような有名キャラクターについても、代表的なポーズのみ、商標登録されています。

商登第5540074号

もちろん、有名キャラクターになると、複数のポーズを商標登録している場合もありますが、事業を始めたばかりの段階から、考えられるすべてのポーズを商標登録しているケースはほとんどありません。

重要なのは、「将来使うかもしれないポーズ」をすべて登録することではなく、「現在のブランドを代表するキャラクター」をしっかり権利化することです。

その上で、キャラクターの人気が高まり、新しいポーズやデザインがブランドとして重要な意味を持つようになった場合には、追加で商標登録を検討すればよいでしょう。

弁理士すみや
弁理士すみや

私もキャラクター商標のご相談では、「まずはメインのポーズを商標登録し、その後の展開に応じて追加出願を検討しましょう」とご提案することが多くあります!

キャラクターのポーズが違っても商標権の効力は及ぶ?

初心者くん
初心者くん

ポーズが違うと、商標権の効力が及ばなくなりますよね?

弁理士すみや
弁理士すみや

ポーズが違っても、登録商標と類似していれば、商標権の効力が及ぶ可能性があります!

ただ、ポーズ違いが類似するか、ケースによるので、一概には何とも言えません。

商標権は登録した商標だけでなく、類似する商標にも及ぶ

商標権は、登録した商標と全く同じ商標だけを保護する制度ではありません。

商標法では、登録商標だけでなく、その登録商標と類似する商標についても、商標権の効力が及びます。

そのため、キャラクターについても、商標登録したポーズだけではなく、登録商標と類似する範囲についても、商標権の効力が及びます。

もっとも、「どこまでが類似に当たるのか」は個別の判断となるため、一律に線引きできるものではありません。

ポーズが違っても、登録商標と類似すれば商標権の効力が及ぶ可能性があります

では、キャラクターのポーズが変わった場合でも、商標権の効力は及ぶのでしょうか?

結論としては、ポーズが違うという理由だけで、直ちに商標権の効力が及ばなくなるわけではありません。

例えば、顔立ちや体型、服装などの特徴が同じで、全体として同じキャラクターであるとの印象を与える場合には、登録商標と類似する可能性があります。

一方で、ポーズだけでなく、服装や髪型、持ち物など、そのキャラクターのデザインの特徴まで大きく変更すると、登録商標と類似しない危険性があります。

このように、キャラクター商標では、「ポーズが違うかどうか」ではなく、「キャラクター全体として類似しているか」が重要な判断ポイントになります。

そのため、実務上も、まずはメインとなるポーズを商標登録し、その登録商標によってどこまで保護できるかを踏まえながら、追加の商標登録が必要かどうかを検討することが多いです。

【例外】こんな場合には別のポーズの商標登録を検討(ピカチュウの事例)

初心者くん
初心者くん

メインのポーズのみ、商標登録すれば、十分ですよね?

弁理士すみや
弁理士すみや

基本的には、メインのポーズのみ、商標登録することが多いです

ただし、ピカチュウの例のように、例外的に、複数、商標登録することもあります!

有名キャラクターは複数のポーズを商標登録することもある

ここまでご説明したとおり、多くの場合は、キャラクターのメインとなるポーズを商標登録すれば十分なケースが多いでしょう。

もっとも、有名キャラクターになると事情が異なります。

例えば、ピカチュウについては、複数のポーズやデザインが商標登録されています。

これは、「どのポーズでも商標登録しなければならない」という意味ではありません。

ピカチュウは世界的に認知されたブランドであり、ゲーム、アニメ、グッズ、イベントなど、様々な場面で異なるデザインやポーズが使用されています。

そのため、ブランド戦略の一環として、重要なデザインについて個別に商標登録が行われていると考えられます。

つまり、一般的なキャラクターと世界的なブランドキャラクターとでは、商標戦略そのものが異なるのです。

ブランドの成長に合わせて、商標登録の範囲を広げることも

また、ピカチュウについては、キャラクター全体だけでなく、特徴的な尻尾のデザインについても商標登録されています。

商登第6385737号

このことからも分かるように、ブランド価値が高まり、多くの人が「この形を見れば、そのキャラクターだ」と認識するようになると、キャラクターの一部分についても権利化が検討される場合があります。

もっとも、このような商標戦略は、事業を始めたばかりの企業や個人クリエイターが最初から目指すべきものではありません。

まずはブランドの中心となるキャラクターを商標登録し、その後、キャラクターの人気や事業の拡大に合わせて、新たなポーズや特徴的なデザインについて追加の商標登録を検討するのが現実的でしょう。

私自身もキャラクター商標のご相談では、「今後どのようにキャラクターを活用していく予定なのか」をお伺いした上で、必要な範囲をご提案しています。

【まとめ】キャラクターの商標登録は、お客様ごとに最適な戦略が異なります!

この記事では、「キャラクターはポーズごとに商標登録する必要があるのか」について解説しました。

結論として、多くの場合は、メインとなるポーズを商標登録すれば十分なケースが多いと考えています。

もっとも、これはすべてのケースに当てはまるわけではありません。

例えば、

  • キャラクターを幅広く商品展開したい
  • 様々なポーズを広告やSNSで積極的に使用する予定がある
  • ブランドとして長期的に育てていきたい

このような場合には、将来を見据えて複数のポーズやデザインについて商標登録を検討した方がよいケースもあります。

反対に、事業を始めたばかりであれば、まずはブランドの中心となるキャラクターを商標登録し、事業の成長に合わせて必要な権利を追加していくという考え方も十分合理的です。

大切なのは、「できるだけ多く商標登録すること」ではなく、「事業内容やご予算に合わせて、最適な商標戦略を立てること」です。

私はこれまで、個人クリエイター、歯科医院、住宅メーカー、企業の周年キャラクターなど、様々なキャラクター商標のご相談をお受けしてきました。

その経験から感じるのは、同じ「キャラクターの商標登録」であっても、最適な出願方法や権利の取り方は、お客様ごとに大きく異なるということです。

「メインのポーズだけで十分なのか」「別のポーズも商標登録した方がよいのか」「キャラクター名もあわせて商標登録すべきか」など、判断に迷われる場合は、お気軽にご相談ください。

キャラクターを長く安心して活用できるよう、お客様の事業内容や将来のブランド戦略を踏まえながら、最適な商標登録をご提案いたします!

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【経験豊富な弁理士が商標登録まで直接担当】

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