・スタートアップ企業は、知財戦略が後手に回りがちですが、商標出願していないと、成長段階で商標トラブルに巻き込まれる危険性があります
・商標権などの知的財産は、資産の1つになり、資金調達の際に、商標出願や登録がアピール材料になり得ます
・斬新な商品・サービスの場合には、指定商品・役務の記載に注意し、また、補助金・助成金を利用した外国での商標出願も検討してみましょう
スタートアップ企業における商標登録の重要性
近年、特許庁は、スタートアップ企業の知財支援に力を入れています。
スタートアップ企業とは、まだ世に出ていない、新たなビジネスモデルを開発する企業を指します。
また、一般的に、創業から2~3年程度の企業を指すことが多いです。
スタートアップ企業は、資金や人的資産が乏しいこともあり、商標権などの知的財産権は、重要な資産となり得ます。
また、リスクヘッジの観点からも、スタートアップ企業にとって、社名や自社ブランドを事前に商標出願することが、重要です。
急成長して、一気に有名になると、他人に模倣されるリスクが高まります。
また、商標出願せずに、他者の商標権を侵害していた場合には、ビジネスに障害が生じる危険性があります。
スタートアップ企業にとって、知的財産権は重要な資産となり、また、早めに商標登録を取得することで、リスクヘッジになります
スタートアップ企業の商標出願のタイミング
商標の世界は、先願主義(早い者勝ち)なので、早めに商標出願することが望ましいです。
第三者に先に商標出願されないために、商標を公開する前には、商標出願を済ませておきましょう。
スタートアップ企業にとって、資金の調達は重要です。
資金調達において、商標を出願もしくは登録していることが、アピール材料になるかもしれません。
また、成長したスタートアップ企業は、他社に会社や事業を売ることがあります。
その際に、主要商品・サービス、社名などの商標登録を取得していないと減点項目となり得ます。
早めに、商標登録を取得したいとのことであれば、以下の記事で紹介している「早期審査」の申請を検討しましょう。
審査スピードを速められる!?商標の早期審査の利用条件や注意点を分かりやすく紹介資金調達や事業売却の際、商標登録を取得していることが有利に働くことがあります!
【スタートアップ企業】商標登録の願書の作成の注意点
スタートアップ企業が提供する商品・サービスは、斬新で、従来なかったものの可能性があります。
そのような場合、商標登録の願書(申請書)には指定商品・役務を記載する必要がありますが、漏れなく対象の商品・サービスをカバーできるように、指定商品・役務の表示を注意しましょう。
仮に、特許庁の審査で、指定商品・役務の表示が不明確と判断されても、指定商品・役務を補正することが可能です。
特許庁の審査官と話し合いながら、対象の商品・サービスが保護できるよう、根気強く対応することが大切です。
従来なかった斬新な商品・サービスを提供する場合、指定商品・役務の表示には注意して、審査官と相談しながら、対象の商品・サービスを適切に保護しましょう。
スタートアップ企業は外国への商標出願も検討
海外での事業も予定しているようであれば、国内だけではなく、外国での商標出願も検討しましょう。
外国への商標出願の実績が、投資家へのアピール材料にもなります。
外国の商標出願に対して補助金・助成金を出している自治体・団体も多いです。
インターネットで調べてみて、補助金・助成金を貰えるか、検討してみましょう。
スタートアップ企業が外国に商標出願する場合には、補助金・助成金の制度を活用できることがあります。
【注意】スタートアップ企業は、商標登録が後手に回りがち
スタートアップ企業は、事業を成長させることに集中するので、どうしても、知財戦略が後手に回りがちです。
しかし、創業時に、商標出願していないと、成長段階に入ってから、商標トラブルに遭遇する危険性があります。
また、知的財産という資産を持つことで、資金の調達において有利に働くことが期待できます。
事業に忙しく、商標出願まで手が回らないようであれば、弁理士などの専門家に協力してもらうことをお勧めします。
スタートアップ企業は知財戦略が後回しになりがちです。弁理士などの専門家と協力しながら、商標出願を含め、きちんと知財の対策を進めましょう!